総括班
本研究領域の目的は,全ゲノム塩基配列解析(パーソナルゲノム解析)に基づいて,脳疾患の発症に関与するゲノム要因を網羅的に明らかにし,脳疾患の発症メカニズムの解明を実現することにある.平成26年度は,本研究領域の成果として,パーキンソン病の新たな病因遺伝子,多系統萎縮症の新たな疾患感受性遺伝子GBAの同定を達成した.総括班では,1年に2回の班会議を開催し,情報を共有する共に,本領域で開発した,次世代シーケンサーを用いたシーケンシング技術,ゲノムインフォマティクスのアルゴリズムの提供などを積極的に進めた.シーケンシング技術については,次世代型シーケンサーの開発が日進月歩で進んでいるため,それに対応したライブラリ作製法や効率的な解析法の技術開発を進めた.また、班会議などを通じて情報を共有することにより,領域内の各班員の研究を効果的に進めることが可能となった.ゲノムインフォマティクスのアルゴリズムの開発については,神経疾患では短鎖繰返配列領域の異常伸長による疾患が見いだされてきており,今後さらに増加するものと予測されている.このような神経疾患で観察される短鎖繰返配列領域や構造変化を検出するために、Illumina社のHiSeq およびPacific Biosciences 社の1分子リアルタイムシーケンサーが出力するリード配列を比較することにより,短鎖繰返配列領域の異常伸長を効率よく見いだすアルゴリズムを研究開発し,この手法を,神経疾患における短鎖繰返配列領域の異常伸長の探索に応用した.発症者とその両親のトリオ解析により,脳疾患の発症の原因となっている新生突然変異を見いだす際に,次世代シーケンサーを用いた際に生じるエラーによる影響を最小限にして,効率の良い解析アルゴリズムを整備し,新生突然変異の検出方法として本研究領域内での研究に応用した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件)
Bioinformatics
巻: 30 ページ: 815-822
10.1093/bioinformatics/btt647
Neurology and Clinical Neuroscience
巻: 2 ページ: 1-4
10.1111/ncn3.72
J Bone Mineral Res
巻: 28 ページ: 992-998
10.1002/jbmr.2091
Biochem Biophys Res Commun
巻: 452 ページ: 221-225
10.1016/j.bbrc.2014.07.098