研究領域 | 先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22133001
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別主幹教授 (50014121)
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研究分担者 |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 准教授 (00317744)
西村 泰治 熊本大学, 生命科学部, 教授 (10156119)
横山 茂之 独立行政法人理化学研究所, 横山構造生物学研究室, 上席研究員 (00159229)
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (20222010)
徳永 勝士 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40163977)
森島 泰雄 愛知県がんセンター(研究所), 疫学予防部, 研究員 (20220056)
岡村 匡史 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所, 室長 (00333790)
今西 規 東海大学, 医学部, 教授 (80270461)
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60274528)
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研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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キーワード | HLA / 進化 / 疾病 / ゲノム / HLA立体構造 / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体であるHLAは、生体防御の最前線で、多様な病原体由来のペプチドを結合し、抗原特異的免疫応答を制御している。本領域研究では、「HLAの成り立ちの進化学的解明」および「免疫応答関連疾患発症におけるHLAの役割の解明とHLAを 標的とした分子創薬のための免疫抑制分子の解明」を目的に掲げ、ゲノム科学とタンパク科学における革新的技術とヒト全タンパク配列データベース、病原体のゲノムデータベースなどの先端情報を活用して、研究分野の枠組みを越えた統合的HLA研究を展開する。総 括班による調整・企画・広報・評価、研究支援活動のもと、平成25年度は以下の成果を得た。 領域内研究の有機的な連携によって、HLA統合データベース構築、HLA領域リシークエンシングによる高解像度HLAタイピング法開発、スギ花粉症抗原Cryj1由来ペプチドとHLA-DP5分子の複合体立体構造の解明、スティーブンジョンソン症候群、B型肝炎関連疾患の新規遺伝子同定、グレーブス病特異的なHLAアレルの同定ならびにHLA感受性・抵抗性アレル間のエピスターシスの証明、に成功した。 これらの研究をさらに深化させるとともに、HLA統合データベースのさらなる向上、成果の社会への発信、若手研究者育成に努め、HLA生成の進化学的謎、および予防・治療法のない難治性免疫疾患の解明とHLA分子標的治療法の開拓という二大課題の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中間評価において、総合所見として「HLA 研究を専門とするグループが、異なったアプローチ・研究方法論で統一したテーマで進めており、現状ではHLA 関連の疾病と、その原因を探るための技術基盤との連携基盤が整ったと評価できる。また、HLA は、多様な病原体由来のペプチドと結合し、抗原特異的免疫応答を制御しているため、疾病発症にかかわる抗原ペプチドの同定、HLA 分子との結合低分子化合物の同定と予測及び同化合物のデリバリーシステム開発は順調に推進されており評価できる。」と評価され、平成25年度においても、次世代シークエンサーを用いたより詳細なHLAタイピング法の開発、HLAと抗原ペプチド複合体の立体構造解明と進化学的視点からの考察、新規のHLAと疾病との相関などが、領域内の密な連携により推進された。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に向け、HLAの統合的研究を推進するために以下の総括班活動を行う。 (1)計画研究と公募研究の連携強化を図る。(2)領域評価者および助言者を中心に、計画研究および公募研究の進捗状況、ならびに領域内共同研究の進捗状況について評価・審議し、領域研究の効果的な推進に向けた評価・指導を行う。(3)研究成果の発表と情報交換、領域外の関連分野の研究者との交流などを目的として、公開シンポジウムを開催する。若手研究者に出来るだけ多くの発表の機会を与える。(4)若手研究者が領域研究の成果を、国外で開催される国際学会・シンポジウムなどの学術集会の場で積極的に発表し、世界に向けた情報発信に取組む。(5)最新の研究成果を、一般学生や市民に向けて啓発することにより、当該領域の研究成果に関する社会への情報公開に努める。そのために市民講座を開催する。(6)領域のホームページ等を介して研究成果に関する情報の開示を積極的に行う。(7)研究支援事業の展開のために、総括班は、異なった分野の研究者が密に連携し、それぞれの技術、情報、知見、研究資材、研究成果産物を領域内研究者が共有出来るよう企画、調整を行う。具体的には,HLAゲノム情報、HLA分子の高次構造情報、HLA結合ペプチドおよび結合モチーフ情報、HLAペプチド結合阻止分子のin silico探索、HLAトランスジェニックマウスが対象となる。(8)新たに構築する「HLA統合データベース」、および既知の「ヒト全タンパク配列データベース」と「病原体ゲノムデータベース」の活用についてデータベース利用講習会を開催し、内容について議論するとともに、HLA統合データベース構築を強固に推進する。
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