研究領域 | 質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 |
研究課題/領域番号 |
22135001
|
研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
小松 英彦 生理学研究所, 生体情報研究系, 教授 (00153669)
|
研究分担者 |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320)
|
研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
|
キーワード | 質感科学 / 脳・神経 / 心理物理学 / コンピュータビジョン / 認知科学 |
研究概要 |
2013年6月3日~5日に金沢市文化ホールで第6回領域班会議、2014年2月6日~8日に千里ライフサイエンスセンターで第7回領域班会議を開き、全計画代表者と公募班員による研究報告を行った。それぞれの班会議時に総括班会議を行い、領域アドバイザーにも参加いただいて研究内容や研究方針についてコメントをいただき領域運営の参考とした。また研究会を3回開催した。11月20日の研究会では織物、肌、各種素材などさまざまな質感を有する実物から質感をどのように客観的に計測・解析するかについて情報交換を行った。2013年12月25、26日と2014年3月22日の研究会は東北大学電気通信研究所と共催で、「物体の表面属性の視知覚に関わる脳内メカニズムの研究」についてさまざまな角度からの研究紹介とディスカッションが行われた。また8月30日には包括脳型脳科学研究推進支援ネットワークの夏のワークショップに合わせて、「新しい視覚の脳科学への展望」と題したシンポジウムを行い、意味認知に関する脳活動について最先端の研究を行っている米国カリフォルニア大学のJack Gallant教授を招聘し質感認知研究の新しい方向性を考える上で極めて有意義な機会となった。またネット会議システムを用いた班員によるセミナーを16回実施し、班会議を補完する役割を持たせることができた。アウトリーチ活動として応用脳科学コンソーシアムに協力して、質感脳情報研究会が実施され、班員を講師として派遣し企業との交流を深めた。また班員による高校への出張授業を行った。また領域内で行われた連携研究による成果を紹介したニュースレターをホームページ上で公開し刊行した。また外部サーバーを利用した領域内の研究関連情報の共有化のためのデータベースの整備を進めた。総括班連絡会議を主にWeb会議システムを用いて毎月行い、研究の状況や領域の方針について意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
総括班で緊密に連絡を取りながら、領域全体の運営を予定通り進めることができた。上述のように領域班会議や研究集会、ウェブセミナーを開催し、多くの連携を含む研究の進展に役立てた。その結果質感認知に関して新しい研究成果が多数生み出され、その一部は新聞などで社会に広く報道された。またアウトリーチ活動として企業との交流を進めると共に、高校生を対象に質感研究の面白さを知ってもらうことができた。これらのことからおおむね順調に進展していると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
班員間の連携特に分野を超えた協力を一層進め、異分野融合による研究の発展を促進する。本領域の活動で生み出された質感研究の異分野ネットワークを維持・発展させていくための方略を総括班が中心となって班員全体の意見も聞きながら作り出していく。また本領域の成果を国内・国外にアピールすると共に、質感認知研究の発展の方向性を探るため海外から関連分野の先端研究者を集め7月に国際シンポジウムを開催する。また社会に向けて質感研究の重要性と面白さをアピールして、この分野の更なる活性化を図るためにアウトリーチのイベントを行い研究の発展に活かすと共に研究成果を社会に還元する。
|