研究領域 | 行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学 |
研究課題/領域番号 |
22H05154
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松崎 政紀 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50353438)
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研究分担者 |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00291964)
田中 康裕 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (20533128)
春野 雅彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (40395124)
喜多村 和郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60423159)
中江 健 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特任准教授 (70617472)
井上 謙一 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (90455395)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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キーワード | 行動変容 / 多次元データ / 情報処理 / 標準化 / 脳活動 |
研究実績の概要 |
本年度は、公募班員も含めた領域会議を7月(熱海、ハイブリッド形式)と12月(東京、オンサイト)にそれぞれ一泊二日で行い、計画班員全員による口頭またはポスター発表を行い、公募班員も含めた領域内連携を強固に進めた。実験研究者と数理解析研究者間における綿密で有機的な連携ができるように、脳活動データと行動データの低次元化解析法について4回のワークショップ(WS)を行った。このWSを基盤に、多次元行動データ解析ツールであるDeepLabCut (DLC)に関して、2023年7月からSlackを立ち上げた。総括班員によって、サル脳新技術研究会、Computational Neurology Club Seminar、WBA勉強会をそれぞれ複数回共催し、また月刊「細胞」2023年7月号「変貌する行動生物学」を出版するなど、実験研究者と数理解析研究者間の対象種間にまたがった連携を強力に推進している。領域会議の議論をもとに、総括班が課題実行中マウスの行動データと脳活動データ取得を開始し、領域内班員が自由に解析を行える13匹16日分のデータを取得した。マウスやマーモセットの身体モデルの標準化を可能とするための解析を進めた。行動データと脳活動データの低次元化プラットフォームの構築を進めた。脳活動高次元データ取得のための高機能プローブ・ベクターの供与を始め、井上班は七つの班にAAV供給などの支援を行った。4名の若手の海外派遣、領域内連携のための他班のラボへの移動・滞在などをサポートした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2回の領域会議では活発な意見交換がされ、領域班の研究室へ出向いた打合せなども行われ、実質的な共同研究も進んでいる。これらは、領域内連携が順調に進展していることを示している。また領域内でデータ共有・標準化を行うための、マウスデータ取得、およびそのデータの解析のパイプライン構築が順調に発展している。また若手研究者支援や若手研究者間の連携も進んでおり、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続き、連携を進めるために、1回の領域会議と第2回国際シンポジウムを開催する予定である。国際シンポジウムでは行動変容生物学に合致する著名な海外講演者を招待し、交流を深めるとともに、若手研究者によるポスター発表も行うことで、領域の成果発信を行う予定である。総括班取得データと解析パイプラインを領域内に公開するとともに、このデータを使って、領域外の大学生・大学院生を対象にしたハッカソンを行い、本領域の啓蒙活動と若手研究者のリクルート・育成を進める。
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