研究領域 | 先端加速器LHCが切り拓くテラスケールの素粒子物理学~真空と時空への新たな挑戦 |
研究課題/領域番号 |
23104001
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅井 祥仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60282505)
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キーワード | LHC / テラスケール / ヒッグス / 超対称性 / 真空 |
研究概要 |
本研究領域の大きな一つの柱である「ヒッグス粒子」の発見に大きく迫った一年であった。統計的にはまだ3σのレベルで発見というには不十分であるが、複数の解析チャンネル、ATLASのみならずCMSでも同じような兆候が観測されており発見への期待が高まっている.本領域は、計画研究A1-A4で直接この研究に携わり、ヒッグスの直接探索のみならず、そのために重要になる主要バックグラウンドの解明に取り組み、多くの成果を上げることがことができた。日本がこの重要な研究に大きく貢献できたのは本領域の研究成果である。総括班はこれらのA1-A4班の研究を総括し、検出器の理解を共同ですすめたり、標準理論起源のバックグラウンドの解明を進めた。ヒッグスがWWに崩壊するモードは数が多い反面、ニュートリノ起源の消失運動量の評価(A2)、レプトンのIDなどの評価やWバックグラウンドの評価(A3),トップクォーク起源のバックグラウンドの評価(A4)などを共同でヒッグス研究A1班と共同でおこなった。更にこの125GeV付近のヒッグス粒子の存在のインパクトを理論研究班(BとA5)共同ですすめた1125GeVというのは、ナイーブには超対称性の予言より重めであり、これからいくつかの超対称性研究の予言がえられた。これを超対称性研究(A2)に反映していく。この様に実験・理論の共同研究を速やかに展開できたのも本研究領域、及び総括班の成果である。またヒッグス粒子の一般の方の興味は著しく高く、メディア(新聞、TV,科学雑誌)を通して正しく成果を伝えると同時に、自ら一般講演会なとを通して積極的に発信をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究領域の大きな一つの柱である「ヒッグス粒子」の発見に大きく迫った。この鍵は、アトラス検出器の速やかで年確な理解と複雑な標準理論起源のバックグラウンドの解明である。この研究をA1-A4で連携して行った。またこの成果を速やかに理論研究と共有し多くの新しいアイデアを生み出した。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度は2011年の約3倍の実験データが観測される予定である。速やかに研究を遂行するために、A1-A4の連携がますます重要になる。また、ヒッグス発見をうけて、「真空」がどんな構造になっているのかの解明をすすめると同時に「なぜ125などか?」から標準理論を超えた新しい素粒子現象の探索をすすめていく。
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