研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
23105001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺田 眞浩 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50217428)
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研究期間 (年度) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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キーワード | 有機分子触媒 / ものづくり / 環境調和 / 有用物質 / 触媒 / 水素結合 / 分子認識 / 不斉合成 |
研究概要 |
有機合成化学は、医薬品、農薬からファインケミカル、さらに機能性材料等の様々な有用物質の合成法を提供することにより、医学、薬学、農学、材料科学などの分野に大きく貢献し、高度文明社会を支えてきた。高度な「モノづくり」の原点を支える基礎的かつ重要な研究分野である有機合成化学は、日本の「お家芸」とまで言われるようになってきた。しかし、天然資源の乏しい我が国の将来にとって、現段階の学術・技術水準に甘んじることなく、今世紀の最大命題である「希少・枯渇資源の有効利用と再生可能資源の活用促進を原則とした元素戦略」、「持続可能な循環型社会の確立」に即した最先端の「モノづくり」(高付加価値の新機能性材料や医薬品の創製)の科学と技術を確立し、科学技術創造立国として、21世紀も世界的優位性を保つことが肝要である。本領域研究では、研究グループ間の共同研究を促進することで「有機分子触媒」をキーワードとする有益な知的基盤を共有・統合化し、学問領域として確固たる地位を確立するとともに、革新的な科学技術の開拓に基づいた「モノづくり」の新たな未来像を創出することを目的とする。有機合成化学者を主体とする研究チームを組織し、1)有機分子触媒の制御システム設計開発(A01)、2)有機分子触媒による分子変換システム開発(A02)、3)有機分子触媒による実践的有用物質合成(A03)の3つの研究項目を設定して理論化学者との連携のもとで総力を挙げた開発研究を行っている。総括班ではこれら研究項目内、研究項目内の人的交流ならびに研究推進を促すため25年度は5月に本学術領域研究の第一回国際会議を、また、11月には日本プロセス化学会との合同シンポジウムを開催した。これらのほかに、有機分子触媒に関する研究の若手セミナーを9月に、本領域研究に関連するシンポジウムを2件協賛することで、研究者間の人的交流を積極的に促した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本新学術領域では、有機分子触媒をキーワードとする研究グループを組織し、総括班が取りまとめることでグループ間の人的交流を積極的に促し、有益な知的基盤を共有・統合化し、学問領域として確固たる地位を確立することを目標としている。本年度は5月に国際会議を開催することで、本領域班員と国際的に活躍する研究者との情報交換ならびに人的交流を図った。11月の第三回公開シンポジウムでは、日本プロセス化学会との合同シンポジウムを開催することで、本領域の目標とする「モノづくり」への貢献に向け、今後の領域研究の方向性を探る機会を設けた。一方、本領域の次世代を担う若手研究者間の交流を促すことを目的として、40歳以下の研究代表者ならびに計画班のグループに所属する若手研究者を一同に会して若手セミナーを9月に開催し、さらなる発展を目指すきっかけとした。関連するシンポジウム等として、4月にUK-Japan Conference in Catalytic Asymmetric Synthesisを開催し、英国からは9名が、日本からは10名(そのうち本領域の班員は4名)が参画し、最新の研究成果を発表するとともに、日英間の学術交流、人的交流を深めた。平成26年3月には日本化学会第94春季年会において特別企画「進化する有機分子触媒」を企画し、本領域の班員2名の他に、海外(スペイン)からの研究者1名ならびに国内の若手研究者4名を加えた講師陣による最先端研究の発表の機会を設けた。これらの活動により、円滑な人的交流、情報交換を積極的に促した結果、領域内での共同研究の成果が学術誌に数件掲載されるとともに、関連学会などで、今後の発展が期待される共同研究が多数報告されるまでに至っており、当初の計画以上に進展していると評価される。
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今後の研究の推進方策 |
産業界との積極的な交流によって本学術領域のキーワードとなっている有機分子触媒を実践的に活用することで「モノづくり」に貢献することが最大の目標となっている。今後は、現在進めている「国際交流」、「若手交流」に加えて有用物質合成に向けた触媒開発といった観点から、金極錯体触媒を中心に研究活動を展開している新学術領域「分子活性化」との合同でのシンポジウムを平成26年6月に開催することを計画し、現在、その準備のため打ち合わせを行っている。この合同シンポジウムの開催による情報交換、人的交流を通じて、多角的な視野から「モノづくり」を考えることで、本領域のさらなる発展へとつなげたいと考えている。 また、「国際交流」、「若手交流」は今後も継続し本領域の活性化を図る。まず、「国際交流」としては平成26年11月に第二回国際会議を開催するよう準備を進めている。一方、「若手交流」に関しては、26-27年度に増員した公募班員(24-25年度:35名、26-27年度:55名)をあらたに加え、26年度はさらに規模を拡大し、9月に開催を予定している。 これらの活動を通じて本学術領域を学問分野として確固たる地位の確立を目指す。
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