研究領域 | 統合的神経機能の制御を標的とした糖鎖の作動原理解明 |
研究課題/領域番号 |
23110001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
門松 健治 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80204519)
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研究分担者 |
川崎 ナナ 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 部長 (20186167)
田村 純一 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30221401)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (40221915)
柚崎 通介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40365226)
鈴木 健一 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授 (50423059)
岡 昌吾 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60233300)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 糖鎖 / 神経 |
研究実績の概要 |
今年度は発足から4年目となり、3年目での中間評価でAの評価を得て、その助言にも従って活動してきた。以下に成果をまとめる。 (1)連携:年2回の領域班会議、包括脳ワークショップ、その他関連学会でのシンポジウムなどで領域内の会話が進んだ。また、領域内および領域外との共同研究が質、量ともに増えた。 (2)海外連携:2回目の領域会議を平成26年11月に国際シンポジウムとして米国ハワイで開催した。これは日本及び米国の糖質学会が10年に1度行う合同シンポジウムに合わせたサテライトシンポジウムとして行ったもので、Glycans in Neuroscienceと銘打った。100名に及ぶ参加者を得て、糖鎖科学の中に神経糖鎖生物学の活動を刷り込んだ点で大きな意味を持った。一方で、第4回ECMNET Conferenceがトルコのアンタルヤで9月30-10月2日に開催され、我々の領域はECMNETと組んで1セッションを主催した。これはヨーロッパが主導する神経研究のうち特に細胞外マトリックスにフォーカスしたもので、ここで糖鎖の重要性を示せたことは大きなインパクトがあった。今後、海外との連携のプラットフォームとして米国並びにECMNETの活動との連携をさらに深めることが期待できる。 (3)若手育成:領域会議では成果発表に際してラボミーティングのような環境を作った。また、口頭発表とポスター発表の場を設け、可能な限り若手の研究者の成果発表の機会を多くした。こうして若手の自発的な発言と教育が行える体制を整えることができた。 (4)広報:ホームページやニュースレターを用いて研究成果を分かりやすく発信した。また、アウトリーチ活動を積極的に行い一般市民への広報に努めた。さらにランチョンセミナーなど学会での広報活動も行い、糖鎖と神経の融合研究の輪を広げるように努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域研究が始まって4年目が終わり、当初の目的であった糖鎖生物学と神経生物学の融合研究が総体として進んでいる実感がある。具体的には領域内の共同研究が特に質的にこれまでを上回った。年2回の領域班会議ではディスカッションでは若手研究者の発言が目立ち、若手研究者が遠慮なく積極的に本領域の活動に参加していることを感じた。また、ポスドクから助教へ、助教などから上のポジションへといった昇進が複数出て来たことも領域全体として上向きのいい雰囲気の形成に役立った。 国内および国外の学術集団との連携が一段と進んだことも重要な進展であった。国内では生化学会、日本糖質科学コンソーシアムシンポジウムなどと連携した。海外では、2回目の領域会議を平成26年11月に国際シンポジウムとして米国ハワイで開催した。これは日本及び米国の糖質学会が10年に1度行う合同シンポジウムに合わせたサテライトシンポジウムとして行ったもので、Glycans in Neuroscienceと銘打った。100名に及ぶ参加者を得て、糖鎖科学の中に神経糖鎖生物学の活動を刷り込んだ点で大きな意味を持った。一方で、第4回ECMNET Conferenceがトルコのアンタルヤで9月30-10月2日に開催され、我々の領域はECMNETと組んで1セッションを主催した。これはヨーロッパが主導する神経研究のうち特に細胞外マトリックスにフォーカスしたもので、ここで糖鎖の重要性を示せたことは大きなインパクトがあった。これらの活動は、海外との連携の起点形成の意味でも重要であった。 また、アウトリーチ活動は各班員によって大変積極的に行われた。ホームページを充実させ、ニュースレターを発行し、さらには関連学会などでの広報によって本領域の融合研究の輪をもっと広げようと努めたことも重要な活動として評価すべきであると思っている。
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今後の研究の推進方策 |
糖鎖生物学と神経生物学の融合研究を着実な動きとするために今後も以下の活動に取り組む。 (1)連携:我々の取り組みで最も重要な領域内での融合研究の促進のために、共同研究事例の状況を定期的に把握し、評価し、多重的・多層的共同研究を推進する。これを支えるために、領域内外の技術・リソースのまとめ、データベース活用のためのまとめを行い、提供する。殊に強い連携を促すために、領域会議を初夏および冬に行う。 (2)海外および国内連携:特に冬の領域会議は本領域主催で国際シンポジウムを開催する。これまでに築いた国際ネットワークをさらに推進し、神経糖鎖生物学の活動を世界展開する礎としたい。今年度は今後の展開のための重要なキーワードの一つである合成糖鎖をテーマにしたセッションも設け、神経糖鎖生物学の海外研究拠点形成のためにも海外の一流の科学者との連携を深める。また、神経科学会では本領域主催のシンポジウムを開催し、海外の演者も含めて情報の交換を行う。さらに日本生化学会・分子生物学会合同年会ではワークショップを、日本糖質科学コンソーシアムシンポジウムでも一つのセッションを受け持ち、糖鎖科学と神経科学の融合に向けた全国的取り組みを促進する。 (3)研究支援活動:領域推進に必要な技術、さらに、動物・細胞・化合物などのリソースの登録、供給を行う。 (4)若手育成:領域会議では成果発表に際してラボミーティングのような環境を作る。具体的には発表時間よりディスカッションの時間を大きく取るなどの工夫を行う。こうして若手の自発的な発言と教育が行える体制を堅持する。また、口頭発表とポスター発表の場を設け、可能な限り若手の研究者の成果発表の機会を多くする。 (5)広報:ホームページやニュースレターを用いて研究成果を分かりやすく発信する。また、アウトリーチ活動により一般市民への広報に努める。
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