研究分担者 |
長谷川 眞理子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (00164830)
西田 淳志 東京都医学総合研究所, 研究員 (20510598)
福田 正人 群馬大学, 医学系研究科, 准教授 (20221533)
萩原 裕子 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (20172835)
山崎 修道 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10447401)
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研究概要 |
本領域では,《思春期における自己制御精神の形成支援》を目指す新たな人間科学の確立へ向け,本領域の有機的・効率的マネジメントと社会との対話促進のため,総括班を組織した.総括班代表者(笠井)は,全体を統括し,領域評価委員及び学術調査官より,23年9月,10月,24年3月に総括班会議の際に評価・助言を得た. 【アドバイザリーボード】 疫学・コホート(西田):コホート研究の第一人者(Marcus Richards,Louise Arseneault)を訪問・招聘し,マネジメント・指標選定・仮説に関して国際アドバイザリーボードを組織した.神経経済学(高橋):自己制御関連行動の調査項目と分析方法提供を行った.遺伝子解析(佐々木):DNAサンプル採取・共有体制について検討した.神経画像(福田・村井):各種セミナーを4回実施した.動物研究(藤井・山脇):齧歯類を用いたストレス脆弱性に関するモデル動物について,作成法やデータベースの共有化を進めている.仮説構築(酒井・岡ノ谷):研究者間ディスカッションを通じて,学際的な仮説構築を進めた. 【委員会】 若手・女性研究者育成(萩原・田中):領域事務局と連携し,文理横断的型の次世代若手育成に向け,若手・女性研究者向け合宿を企画し,24年7月に実施する.データベース(橋本):包括脳・JST統合データベースミーティングに参加し,各種プロジェクトと連携して,データベース構築の準備を進めた.領域内外連携委員会(笠井):A01内(西田・長谷川・佐々木・高橋),A02内(岡ノ谷・萩原・橋本,藤井・福田),A03内(山崎・笠井),A01-A02-A03間(長谷川・西田-笠井・山崎,藤井・福田一笠井)の連携・共同研究推進を促した.新学術領域「社会階層と健康」 (代表:川上憲人)と,海外研究者招待講演を共同開催し,共同研究を進めた.広報・市民との対話(山崎):学生・専門家・一般市民・精神疾患当事者家族を対象に,思春期の自己制御機能発達の重要性と自己制御修復法について広報・啓発を行った. 倫理検討委員会(長谷川)は,信原幸弘氏ら外部専門家を招聘し,脳神経倫理,認知エンハンスメントに関する倫理面の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
短期間に3回の総括班会議を実施し,多領域の専門家間でのコミュニケーションを促進することで,領域のコンセプト確立が順調に進んでいる.また,思春期コホート研究を軸として,領域内で有機的な連携が図られており,具体的な研究の進展に寄与している.公開シンポジウム・講演会等を通じたアウトリーチ活動も積極的に実施されている.
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降,公募班研究者とのディスカッションや若手・女性研究者向け合宿の実施などの機会を増やし,face-to-faceのコミュニケーションを通じてさらに領域コンセプトの精緻化を進めるとともに,学際的な研究者が多様な方法論・アプローチを用いつつ,《思春期における自己制御精神の形成支援》に向けて統合的に活動が進められる体制の継続が必要である.また,領域コンセプトを対外的に発信するため,総説の執筆や公開シンポジウムの実施を具体的に進めている
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