研究領域 | 精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学 |
研究課題/領域番号 |
23118001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80322056)
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研究分担者 |
長谷川 眞理子 総合研究大学院大学, その他の研究科, 教授 (00164830)
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研究期間 (年度) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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キーワード | 人間総合科学 / 思春期 / 自己制御 / 学際的 / 文理横断 / 若手育成 / 青春脳 / 共感性 |
研究概要 |
総括班代表者(笠井)は、全体を統括し、領域評価委員会及び学術調査官より、平成26年3月に総括班会議の際に評価・助言を得た。新たな学術領域の確立のため、東京大学出版会からの思春期学の教科書の編纂を開始した。 青少年への啓発のために、少年写真新聞社の協力により、全国の小中学校の保健室へ配布される壁新聞で、「青春脳」シリーズを企画した。 また、精神神経科学振興財団の協力により、中学校保健体育副読本『悩みは、がまんするしかないのかな?』(こころの健康副読本編集委員会編)を作成、配布した。 【アドバイザリーボード】 国際アドバイザリーボードを軸に、縦断研究のデザイン・指標・統計解析について各研究にアドバイスを行った。 A01-03連携(思春期コホートサブサンプル研究)、A02-03連携(サルとヒトでの共通の計測系を用いた社会的文脈理解の脳基盤研究)について、計画研究への助言を行った。 【委員会】 若手・女性研究者育成(萩原・田中):文理横断型の次世代若手育成に向け、各計画・公募研究における若手・女性研究者の支援、育成のため、平成24年7月に続き、平成25年7月に若手研究者合宿を行った。データベース(橋本):共同研究のデータベース構築を指導した。 領域内外連携委員会(笠井):思春期の精神神経発達研究の第一人者を海外より3名(Nicholas Allen博士、Iroise Dumontheil博士、Elaine Walker博士)招聘し、平成25年10月に国際シンポジウムを開催し、領域のコンセプトを深めた。広報・市民との対話(山崎・西村):ホームページの運営を行った。倫理検討委員会(長谷川):信原幸弘氏ら外部専門家を招聘し,脳神経倫理,認知エンハンスメントに関する倫理面の検討を行った 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新学術領域研究の最大の目標として、当該領域を分野融合的な新しい学術領域として提唱するため、平成24年度に引き続き、多方面にわたる活動を行った。東京大学出版会から「思春期学」の教科書を出版する企画が決定し、分担執筆中である。 本領域の成果を教育・社会に還元する試みは予想以上に順調に進展している。思春期の児童・生徒や養護教員への啓発のために、少年写真新聞社の協力により、全国の小中学校の保健室へ配布される壁新聞で、「青春脳」シリーズの企画を行った。精神神経科学振興財団の協力により、中学校保健体育副読本『悩みは、がまんするしかないのかな?』(こころの健康副読本編集委員会編)を作成、配布した。この活動は、平成25年12月29日にNHKニュースで報道された。本領域を幅広い研究者層に啓発する活動として、思春期の精神神経発達研究の第一人者を海外より3名(Nicholas Allen博士、Iroise Dumontheil博士、Elaine Walker博士)招聘し、平成25年10月に国際シンポジウムを開催し、領域のコンセプトを深めた。若手・女性研究者の育成のための若手合宿を平成24年7月に引き続き平成25年7月に行った。国際アドバイザリーボードメンバーであるMarcus Richards博士やLouise Arseneault博士との連携による、思春期コホートの国際共同研究の打ち合わせも当初の予定以上に進展している。 領域間の連携は従来以上に進めている。A01とA03の密接な連携により、10代の児童に対するホルモン・エピゲノム・神経画像の計測を開始し、これまでに40組の親子にMRI撮像を行った。A02とA03の共同研究である、サルEcoGとヒトfMRIでの共通の計測系を用いた社会的文脈理解の脳基盤研究は、健常被験者3名を対象に予備的検討を行った。A02とA03の連携により、うつ病発症に関するコホート研究と、自己制御の神経基盤に関する画像研究の連携を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き領域内外の研究者とのディスカッションを行い、研究者間の充実したコミュニケーションを通じて領域コンセプトの精緻化を進めるとともに、学際的な研究者が多様な方法論・アプローチを用いつつ、《思春期における自己制御精神の形成支援》に向けて統合的に活動が進められる体制を継続する。 平成26年7月には思春期研究をテーマに、思春期精神保健の第一人者らを海外より3名(George Patton博士、Russell Viner博士、J. Hans Ormel博士)招聘し、国際シンポジウムを開催予定である。さらに、平成26年12月には、新学術領域「共感性」および本領域との合同若手シンポジウムを計画している。Marcus Richards博士やLouise Arseneault博士らとの思春期コホートにおける国際共同研究を進める。 A01とA03の連携による思春期コホートサブサンプルにおけるバイオマーカー研究は、今後さらに、MRIやDNA、ホルモンなどのバイオデータと、思春期コホート調査で得られた質問紙データを総合的に解析することで、思春期における自己制御精神の形成に関する知見を深め、より良い理解を目指す。A02とA03の連携による、サルとヒトでの共通の計測系を用いた社会的文脈理解の脳基盤研究、およびうつ病に対する認知行動療法プログラムと自己制御の神経基盤に関する画像研究の連携を進め思春期における自己制御精神の形成に関する知見を深め、より良い理解を目指す。
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