研究領域 | 実験と観測で解き明かす中性子星の核物質 |
研究課題/領域番号 |
24105001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田村 裕和 東北大学, 理学研究科, 教授 (10192642)
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研究分担者 |
高橋 俊行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50281960)
村上 哲也 京都大学, 理学研究科, 講師 (50219896)
中村 隆司 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50272456)
堀越 宗一 東京大学, 工学系研究科, 助教 (00581787)
高橋 忠幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50183851)
大西 明 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70250412)
玉川 徹 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (20333312)
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研究期間 (年度) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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キーワード | 原子核物理 / 中性子星 / X線天文学 / 冷却原子 / 核物質 / ストレンジネス / 中性子過剰核 / 重イオン衝突実験 |
研究実績の概要 |
●総括班定例打ち合わせを約2か月ごとに実施し、各計画研究の進捗状況のチェック、研究会やスクール等の企画・準備を行った。 ●2014年9月23日~25日に熱川温泉で領域全体の研究会を行った。68名が参加、計画研究と公募研究の成果発表や関連する話題の講演を行った。●ウィンタースクール「中性子星の核物質」を2014年2月25~27日に阪大RCNPで開催した。関西の大学院生や若手研究者を中心に約55名が参加した。参加者は基礎的な講義を受けるとともに、RCNPの施設を見学した。 ●10月7日~11日に、ハワイ島で行われた日米合同原子核物理学会において、総括班が組織者となってミニシンポジウム"Nuclear Matter in Neutron Stars"を2日にわたって開催した。2件の招待講演と33件の応募講演が行われ、活発に議論がなされた。本新学術の米国研究者への周知と情報交換が大きく進み大変有意義であった。●5月12日~13日にB03班と総括班の共催で国際研究会Intersection of cold-atomic and nuclear physicsを韓国Pohanで開催。アジアで初めての冷却原子と原子核物理の合同研究会となった。●5月31日~6月1日に理研と共催で国際研究会"Nuclear Physics with strangeness at J-PARC"を理研で開催した。●H27年3月12日~14日に京大基研で理論班と総括班の共催で中性子星核物質研究会を開催した。 ●アウトリーチ活動として、一般向け単行本「宇宙の物質はどのようにできたのか」(日本評論社)の第9章「中性子星の奇妙な物質」を領域代表・田村が執筆した(田村はこの単行本の編集も行った)。●市民講演会「中性子星を支える力」 (市民講座「物理と宇宙」第2回)2014年11月29日、京都大学を分担者・大西が行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
年に一度の全体研究会では、多少不便な場所だったにもかかわらず全国から予想を大幅に超える参加者があり、セミナー用宿泊施設で寝食を共にしながらリラックスした雰囲気で朝から深夜まで活発な議論が行われた。同じく3回目となる恒例の若手スクールは、初めて関西地区で行ったが、ほとんどの学生や若手が初めての参加者であり、本新学術への参加意欲が全国で高まっていることがわかった。 また、ハワイの日米合同原子核物理学会でのシンポジウムは、予想を大きく超える多数の応募講演があり、米国側への本領域の宣伝の格好の機会となった。韓国で行った国際シンポジウムや、外国人を招いて行った国際研究会などの開催もあわせて、本新学術領域の国際的な宣伝が進むとともに、海外での関連分野の最近の発展を取り入れて、本新学術研究に生かすことができるようになってきた。 一般向け記事の執筆や市民講演会などのアウトリーチ活動も積極的に行った。 以上から、総括班の活動は極めて活発で予想以上の効果があったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本新学術領域の期間が残り2年となったため、それぞれの計画研究や公募研究の成果をどのようにまとめていくかを総括班会議等で話し合い、今後の連携した研究の進め方を検討することとしたい。また、他の新学術領域との合同研究会を開催して、本領域の研究を今後さらに拡大・発展させることを意識して進めたい。 総括班主催の企画としては、これまで同様、大規模な全体研究会と若手スクールを毎年行う。また、新しい公募研究がスタートするため、新しい公募研究の紹介と前回の公募研究の成果発表のための研究会を行う。 国内外の関連テーマの国際会議やシンポジウムを積極的に共催・協賛して本領域について一層の周知を図るとともに、外国人研究者を本領域の各計画研究・公募研究や関連する研究に共同研究者として引き込んで、新しい研究の展開をはかりたい。 H25年度に行った検出器交流会を発展させ、共同開発・共同利用を目指したワークショップを開催する。また、各地で小規模のセミナーを頻繁に開催することを心がけたい。 各計画研究や公募研究の報告や成果をHPにこまめに掲載することは、人手の問題もあって意外と難しいことが分かった。総括班メンバーが互いに声を掛け合うとともに、事務補助者やアルバイトを使って情報の集約と発信に努力したい。
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