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2013 年度 実績報告書

多面的アプローチの統合による計算限界の解明

総括班

研究領域多面的アプローチの統合による計算限界の解明
研究課題/領域番号 24106001
研究機関東京工業大学

研究代表者

渡辺 治  東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (80158617)

研究期間 (年度) 2012-06-28 – 2017-03-31
キーワード計算限界解明手法の開拓 / 多視点からの統合的解析 / 計算限界研究センター / 計算理論若手研究者育成
研究概要

本領域(略称,ELC = Exploring the Limit of Computations)の研究推進や成果の波及のための活動を以下のように行った.
1.公募班を交えた領域全体の研究の進め方の策定と検証:6 月の本年度第 1 回領域会議において,領域における研究方針を議論する戦略会議を開催し,計画班・公募班が一緒になって研究を進めて行くための研究シナリオについて徹底的な議論を行い方針を策定した.その進捗状況を11 月の第 2 回領域会議で確認し,3 月の成果発表会では,その成果のとりまとめと検討を行った.
2.若手研究者の育成,研究者・一般への啓蒙活動:若手育成のための秋学校を 2 回,電子情報通信学会の研究会での解説講演を 3 回行った.また,研究者向けに,情報系 2 学会の会誌に解説論文で,プロジェクトでの研究を紹介した.書籍やサイエンスカフェ等により,一般への啓蒙も行った.
3.計算限界研究センターを中心とした研究連携:センターを中心にセミナーを 13 回,領域研究者の勉強会を 6 回行い,日常的に連携研究行う体制を確立した.また,主要国際会議に若手研究者を派遣し,報告会を行って,最先端の研究動向の領域内での情報共有も進めた.センターでは,4 月~ 7 月の間,学生勉強セミナーが,ほぼ毎週行われた.
4.国際的な情報発信・研究交流:各計画研究と共同で,4 回の国際研究集会を開き,総括班として研究者を 26 名招聘した.これらの招聘研究者とは,本領域で進めている研究との共同研究について検討した.また,本領域の研究成果の発信のため,Interdisciplinary Info. Sci. (IIS) 誌において,ELC の研究解説論文をまとめた Exploring the Limits of Computation のシリーズを開始し,第 1 巻を刊行した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

6 月に開催した本年度第 1 回領域会議において,公募班を含め領域における研究方針を組織的に進める戦略を策定し,それに沿って勉強会や共同研究を進めたため,領域内の研究連携が組織的にかつ恒常的に行われるようになってきた.そうした中で,計算限界の解明に向けての新たな道筋を示すような成果がいくつか出始めている.とくに,様々な計算に関連するグラフの到達可能性問題に対しては,領域全体での複数の視点からの解析により,これまでにない新たな解析手法と解析結果が得られている.また,最適化手法や線形計画法からの問題の計算複雑さに対する新たな解釈が得られつつある.こうした成果を,領域会議,成果発表会,研究解説論文シリーズを通して領域で共有することができるようになった.さらに,若手への教育にも反映されるようになってきている.各計画班で雇用されている博士研究員に対し,領域全体で育成する,という方針から,博士研究員による研究プロジェクトの実施を総括班で支援し,その成果が実際に,各計画研究でも現れている.
さらに ELC のウェブが整備され,研究発信の面でも,領域内の研究者間の議論・連絡・連携調整などにも利用できるようになった.
以上のことから,本年度の総括班としての活動は非常に順調だったと考えられる.

今後の研究の推進方策

次年度は中間評価の年度でもあるため,本領域で得られてきたこれまでの成果を,様々な観点から総括する.その上で,今後の研究の進展を,どのような点に重点を置いて進めていくべきかの指針を示し,より組織的に,共同研究を進めて行く.
次年度は,領域内の共同研究や連携研究だけでなく,国際共同研究も本格的に行っていく.そのため,国際会議等の開催・共催を通じて,本領域で得られた研究成果を国際的に発信し,国際共同研究を進める機会を増やす.また,博士研究員の空きポストや研究者招聘を組織的・戦略的に行い,国際共同研究が進みやすい環境を整備する.

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 数学を利用する感覚(リレー連載:数学的な感覚の探求-思考法の源を探る第15回)2014

    • 著者名/発表者名
      徳山豪
    • 雑誌名

      数理科学

      巻: No. 610 ページ: 59-64

  • [雑誌論文] スーパーコンピューティング・コンテスト (SuperCon13)2014

    • 著者名/発表者名
      渡辺治,遠藤敏雄
    • 雑誌名

      数学セミナー

      巻: 53(1) ページ: 50-55

  • [雑誌論文] 計算限界の解明-その意義とシナリオ(前編)2013

    • 著者名/発表者名
      徳山豪
    • 雑誌名

      情報処理

      巻: 54( 4) ページ: 374-384

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 計算限界の解明-その意義とシナリオ(後編)2013

    • 著者名/発表者名
      徳山豪
    • 雑誌名

      情報処理

      巻: 54( 5) ページ: 528-538

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小特集「計算限界の解明への多面的アプローチ-- P vs NPに向けた最前線」2013

    • 著者名/発表者名
      今井佳子(編集),徳山豪,内沢啓,上野賢哉,玉置卓
    • 雑誌名

      電子情報通信学会会誌

      巻: 96( 9) ページ: 671-687

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特集:P ≠ NP 予想最前線2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺治,西村治道,垂井淳,岡本吉央,瀧本英二,吉田悠一,上原隆平
    • 雑誌名

      数学セミナー

      巻: .52(12) ページ: 8-43

  • [学会発表] 計算限界への挑戦:P=NPの世界を目指して

    • 著者名/発表者名
      渡辺治
    • 学会等名
      E-サイエンスに向けた革新的アルゴリズム基盤第4回シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学,日本
    • 招待講演
  • [学会発表] データ圧縮と構造化:理論革新とその未来

    • 著者名/発表者名
      徳山豪
    • 学会等名
      E-サイエンスに向けた革新的アルゴリズム基盤第4回シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学,日本
    • 招待講演
  • [学会発表] 計算限界解明:なぜ限界を?&なぜ今?

    • 著者名/発表者名
      渡辺治
    • 学会等名
      第12回情報科学技術フォーラム
    • 発表場所
      鳥取大学,日本
    • 招待講演
  • [学会発表] 理論計算機科学への招待

    • 著者名/発表者名
      徳山豪
    • 学会等名
      科学者の卵プロジェクト
    • 発表場所
      東北大学,日本
    • 招待講演
  • [学会発表] 計算複雑さの理論とその進展

    • 著者名/発表者名
      渡辺治
    • 学会等名
      東北大数学教室談話会
    • 発表場所
      東北大学,日本
    • 招待講演
  • [図書] 今度こそわかるP≠NP予想2014

    • 著者名/発表者名
      渡辺治
    • 総ページ数
      185 (1-185)
    • 出版者
      講談社
  • [図書] Reviews and Lectures: Exploring the Limits of Computation, Interdisciplinary Information Sciences2014

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Tokuyama, Akiyoshi Shioura, Takehiro Ito Eds
    • 総ページ数
      70 (1-70)
    • 出版者
      東北大学情報科学研究科
  • [備考] 計算限界の解明

    • URL

      http://www.al.ics.saitama-u.ac.jp/elc/

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公開日: 2015-05-28  

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