総括班
本研究班では、研究班4年目として新たな公募研究者を受け入れた。そこで、総括班としては、活発かつ効率的に研究が進むよう視点共有を図り、研究方針を企画調整するとともに、技術や材料の共有を支援し、助言と評価を行った。また、班員間と科学者コミュニティとの連携を促進し、研究領域の社会への定着と次世代研究者の育成を図った。これらの目的で平成27年度は7月に総括班会議を開催し、学術調査官による助言を得、具体的に次の活動を行った。まず、7月に班会議と若手研修会を開催し、班員間の情報共有と共同研究促進を図るとともに、班員の研究室に所属する若手研究者を主な対象に次世代研究者育成の促進を図った。更に、学術領域の定着と周辺学術領域への展開ならびに次世代研究者の育成を強化するため、3月に、理化学研究所横浜キャンパスにて次世代シンポジウム(約100名参加)と、徳島大学にて国際シンポジウムを共催した(約100名参加)。加えて、7月に、大阪大学での次世代免疫蛍光イメージング技術講習会を後援した。国民との対話については、日本免疫学会の主催する一般市民向け展示イベントに参加するとともに、胸腺髄質上皮幹細胞の同定について科研費NEWSに掲載した。また、正の選択によるT細胞教育、サイトカインによる2型自然リンパ球の抑制、リゾホスファチジン酸によるリンパ球動態の促進に関する発見について、全国紙とニュース番組で多数報道頂いた。科学者コミュニティと一般社会に向けたウェブサイトでは本年度、ニュース掲載41件と約一万回の閲覧、班員の視点共有促進のための班員ブログでは本年度78件の投稿と約一万回の閲覧を得た。また、オンラインニュースレターを二度発行した。更に、新たに他機関で研究室をスタートアップする班員を対象に、班研究に有効活用される実験動物の移動に必要な経費を支援する「プロモーション支援事業」を一件実施した。
1: 当初の計画以上に進展している
本研究は、多様な背景の研究者が結集し従来未解明であった「場」を含めた「免疫空間」の四次元的な形成・連携・攪乱の機能解明と再構築をめざしている。五年間の研究班運営の四年目にあたる平成27年度は、研究班4年目として新たな公募研究者を受け入れ、総括班会議と班会議における議論を基盤に、二度の国際シンポジウム共催と技術講習会の後援を行い、班員間の視点共有と共同研究促進、国内外の科学者コミュニティへの本領域研究のアピール、新たな研究の連携を図った。なかでも、若手班員による自主的な企画と運営による次世代シンポジウムを開催するとともに、合宿形式での若手研修会(サマースクール)を開催し、いずれも、参加した次世代および次々世代の若手研究者から高い評価を得た。現在の若手による次世代の若手を対象とする「次世代シンポジウム」の開催は、次世代研究者の育成と将来の学術領域定着を指向する新しい試みであり、参加した研究者から高い評価を得た活動であったことから、当初計画を上回る成果と判断される。さらに国民との対話活動について、日本免疫学会の科学コミュニケーション活動「免疫ふしぎ未来2015(日本科学未来館にて8月開催)」に参加し、パネル展示とショートトークを通じて多数の国民と双方向の対話を行うとともに、本研究班による研究成果3件に関して全国紙とニュース番組で多数の報道を頂いた。また、本領域のウェブサイトと班員ブログはそれぞれ、年間約一万回の閲覧を得た。更に、オンラインニュースレターを二度発行した。多くの国民を対象に科学コミュニケーション活動を実施できたことも、当初計画を上回る成果といえる。加えて、新たに他機関で研究室をスタートアップした班員を対象に、班研究に有効活用される実験動物の移動に必要な経費を支援する「プロモーション支援事業」の実施を今年度も継続できたことも、当初計画を上回る成果といえる。
五年間の研究班運営の最終年度にあたる平成28年度においても、研究方針を企画・調整するとともに、必要な関連技術や実験材料を共有できるように研究支援し、班全体の活動について助言と評価を行う。研究班5年目の最終年度としての具体的な活動としては、研究領域の国際的先導性を確保し次世代研究者の育成を促進する目的で、公募班員を含む班員間の情報共有に必要な班会議、若手研究者の育成を対象とした若手研修会を開催する。また、最終年度の活動を総括する国際シンポジウムを開催する。これら会議の企画運営、オンラインニュースレター、ブログの活用を通して公募班員を含む班員間の情報交換、視点共有と科学者コミュニティとの連携を強化するとともに、総括班連携研究者および計画研究者は多様な学問背景を生かして研究技術講習会等を開催する。更に、ウェブサイトやブログなどを含む「国民との対話」活動を通じて、研究領域の社会への定着と次世代研究者の育成を図る。加えて、班員に対する研究支援をこれまで以上に充実させるべく、あらたに他機関で研究室をスタートアップする班員を主な対象に、班研究に有効活用される研究資材の移動に必要な経費などを支援する「プロモーション支援事業」の実施を継続する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 10件、 査読あり 21件、 オープンアクセス 21件、 謝辞記載あり 20件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 9件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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