研究領域 | 構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解- |
研究課題/領域番号 |
24119001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
國吉 康夫 東京大学, 情報理工学系研究科, 教授 (10333444)
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研究分担者 |
明和 政子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00372839)
熊谷 晋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (00574659)
長井 志江 大阪大学, 工学研究科, 特任准教授 (30571632)
小西 行郎 同志社大学, 心理学研究科, 教授 (40135588)
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研究期間 (年度) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害 / ロボティクス / 心理学 / 医学 / 当事者研究 |
研究実績の概要 |
本申請領域は,個別の計画研究の単なる集合ではなく,心の発達の解明に関わる,A.構成論,B.人間科学,C.当事者研究の三つの異なるアプローチの密な協働によって成立する.これを推進するために,総括班の役割は極めて重要である. 本年度は,計画班および公募班のこれまでの成果を集約し,焦点化すると共に,後期に向けた課題を明確化し,中間評価に臨み,A評価を受けた. また,領域の中核的理論の構築を目指して,胎児からの脳機能発達と発達障害に関わる統合的仮説を明らかにすべく,総括班会議を中心として議論と共同作業を重ねた.さらに,第2期の公募研究募集に向けて総括班で議論し,募集要項を作成・公表し,説明会を9月に京都,10月に東京,で計2回開催した. この他,発達障害者の立場から社会的多数派の会話・コミュニケーションについて学習・共有する「ソーシャル・マジョリティ研究会セミナー」をC01班主導で計7回開催,日本赤ちゃん学会学術集会におけるラウンドテーブル「胎児期からの発達とその障害」の企画・実施(司会:國吉),日本発達神経科学学会「脳幹・辺縁系から考える初期脳発達と障害」の企画・開催(大会実行委員長:國吉),新胎児学研究会の企画・開催(会長:小西,秦),B02班とC01班の共同研究成果「自閉スペクトラム症知覚体験シミュレータ」の報道発表など,本領域の成果を軸に領域内外の研究者の活発な研究交流を喚起する場やアウトリーチ活動も活発に展開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画の内容は順調に実施した.これに加え,本年度は,発達神経科学学会,新胎児学研究会など,学会全体を領域代表や計画班代表が企画・開催し,しかも,その全体テーマを,本領域の最新の成果を盛り込んで決定することで,領域外の研究者にも広く,本領域の成果と今後の研究の方向性を訴えることができた.また,複数の計画班の共同研究成果を報道発表し大きな反響を得た.これらは当初想定以上の成果といえる.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間後半に向けて,さらなる領域内融合推進と研究加速,優れた成果の確定と外部発信,領域外の研究者の協力も得た新分野確立への努力,一般向けアウトリーチ活動などに取り組んで行く.このため,新規公募研究メンバーを含めた領域全体会の開催,領域推進のための定期的な総括班会議開催,領域内異分野研究者の共著論文発表の推奨,領域内班間合同研究会の開催,発達障害当事者やその関係者に向けたチュートリアルや成果発表活動,領域Webの維持とさらなる充実,などを積極的に進めて行く.
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