総括班
宇宙で最も大量に存在する元素(H, O, C, N)からなる固体物質(氷および有機物)の形成・進化に着目し,実験,観測,理論,分析等の多様な手法で,分子進化の全体像を描き,これらを通して,化学的視点に立脚した惑星形成論を新たに構築する.そのために研究手法の異なる研究班を組織し,総括班の助言のもとに班間の交流を促し,手法の枠を越え,垣根を取り払う必要がある.公募研究(平成26-27年度)と計画研究との連携を強め,研究を強力に推進するために,第2回の研究集会を平成25年6月に開催した.公募研究で採択された研究計画について,各代表者からの講演とともに,研究領域内でのそれぞれ研究の位置づけについて全体で議論をおこなった.若手研究者がリーダーを務めるワークショップを3回開催した.「フォルステライトの表面構造と触媒作用(リーダー:高橋修)」,「総括班ワークショップ:これまでの研究成果と今後の展開(リーダー:羽馬哲也)」「高輝度放射光を用いた分子進化研究(リーダー:為則雄祐)」というテーマで開催した.ワークショップは各計画研究間の交流を促進し,連携研究を推進する役割も担っている.日本地球惑星科学連合大会で「宇宙における物質の形成と進化」セッションを開催した.また,国際ワークショップ「星間物質ワークショップ2014」の共催,宇宙生物学に関する国際会議「Origins」の支援,地球化学分野最大の国際会議Goldschmidt会議でのセッション企画(2014年,2015年)をおこない,領域内研究者が積極的に参加・講演をおこなった.また,研究者コミュニティや社会との相互理解を深めるために,本領域研究の内容の広報にも積極的に取り組んだ.また,一般向け講演会や書籍,メディアなどを通じ,「宇宙分子進化」研究の意義や成果の紹介を積極的におこなってきた.
2: おおむね順調に進展している
総括班会議,研究集会,ワークショップの開催は計画通りに行われた.研究集会では,公募研究と計画研究の連携が議論でき,領域全体で目的意識が共有できたことは意義深い.ワークショップは若手研究者がリーダーとなって主体的に開催しており,そこでのテーマも絞られており,特定のテーマを深く議論することができた.また,総括班ワークショップを初めて開催し,領域の研究の達成度や今後の展望を少人数で深く議論することができ,非常に有意義であった.また,各種国際会議を主催・共催するとともに,シンポジウム等の企画・実行もおこない,領域の研究成果を広く発信することができた.広報でも,一般向け講演会や書籍,メディア,ホームページを通じて,新規情報を迅速に発信している.以上のことから,研究は,ほぼ当初の計画通りに進展していると考えている.
基本的には,当初の計画通り研究を推進していくことで,研究目的を達成できると考えている.平成27年度には,第3回研究集会を北海道大学で開催する予定である.また,ワークショップも随時開催していく.国際ワークショップも2016年2月に札幌で開催する予定であり,研究成果の世界への発信を進めていく.関連学会への成果報告という意味では,本年度以降,地球惑星連合大会の「宇宙物質進化」セッションを引き続き開催し,成果の学会への普及をはかる.また,随時一般向けの成果広報の場を設ける.
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (21件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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