現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域では、(1)脳に時間地図を描き、(2)操作の方法を臨床応用につなげ、(3)時間の意識の進化を解明する、という3つの目標達成に向けて、7つの計画班と後期27の公募班が理系と文系の垣根を超えた連携研究を進めてきた。各班の研究成果はすでに200報を超える学術論文として公表され、連携研究の成果もすでに20報を数えた。(1)については、北澤班(A01, 神経科学)・池谷班(A02, 神経科学)・河村班(A04, 臨床神経心理学)・大津班(B01, 言語哲学班)と公募班(岡ノ谷班・米田班・藤澤班)などの研究成果が結びついて、大脳内側面の楔前部-後部帯状回-海馬のネットワークに現在から過去に至る時間軸が表現されている可能性が浮かび上がった。(2)については、池谷班と公募野村班の研究によりヒスタミンに着目した記憶の操作法が開発された。(3)については、平田班(C01, 比較行動学)を軸として、公募中野班との共同研究が着実に進行して、エピソード様記憶の系統発生と個体発生が明らかになろうとしている。また、若手研究者の育成に関しても、文部科学大臣表彰・若手科学者賞を初めとする若手研究者の受賞が連続しており、順調な成果を挙げている。以上の理由からおおむね順調に進展していると判断した。
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