研究領域 | 宇宙の歴史をひもとく地下素粒子原子核研究 |
研究課題/領域番号 |
26104001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 邦雄 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (10242166)
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研究分担者 |
柳田 勉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (10125677)
岸本 康宏 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (30374911)
作田 誠 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (40178596)
竹内 康雄 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60272522)
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
岸本 忠史 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (90134808)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 極低放射能 / 二重ベータ崩壊 / 暗黒物質 / 超新星ニュートリノ / 右巻きニュートリノ |
研究実績の概要 |
平成26年度開始の新学術領域(研究領域提案型)「宇宙の歴史をひもとく地下素粒子原子核研究」の総括班としての活動実績である。総括班の目的は、「宇宙の物質粒子生成」「軽いニュートリノの謎」「暗黒物質の謎」「星形成の歴史」など一連の宇宙の歴史をひもとくため、地下研究が共通課題とする極低放射能技術を共有化・発展させるための相補的・相乗的関係を構築し、さらに課題を串刺しする理論的研究との協働も促進し、長期的な視野で人材育成や個々の研究推進を支援することで、宇宙の歴史の解明につなげることにある。そのため直接的な研究活動は行わない。平成29年度は以下の活動を実施した。 1.地下大型実験の代表者を内包する運営会議を4,5,6,7,8,9,10,11,1,3月(うち5,8,3を総括班会議と兼ねる)に開催し、運転情報共有や個々の研究へのアドバイス・協働体制の推進を行なった。また、研究会企画や若手研究連絡会の充実など分野の活性化を測った。 2.極低放射能データベースの情報蓄積を充実させ、インターフェースの改善で利便性を高めた。 3.成果発表、分野間連携、成果の波及のための旅費支援などを行なった。 4.研究会(第4回領域研究会5月@岡山、第4回超新星ニュートリノ研究会を1月@箱根、第4回極低放射能技術研究会を3月@天童)、若手研究会(11月早稲田、1月大阪)を開催・支援した。極低放射能技術研究会では分野全体の動向、今後の地下素核研究の位置づけや方向性を議論し広く意見を集めた。また、宇宙線研究者会議の将来計画タウンミーティングが地下素核研究をテーマに開催され、広い分野との将来計画や活動状況の情報共有を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的な運営会議や総括班会議を通して領域内及び国際的な協働が活性化しており、宇宙素粒子研究分野の方向性に対しても強い影響力を持つようになってきた。研究会の開催・共催なども活発に行われ、若手の活躍の場も広く提供できた。A01,A02,B01,B02班の若手が中心になって地下での中性子測定コンソーシアムを形成しているほか、シンチレータ研究会を通して医療分野へも研究を波及させるなど、新たな展開も始まっている。また、東北大学ニュートリノ科学研究センターと大阪大学核物理研究センターが地下原子核研究の推進のための部局間協定を結ぶなど「地下素核研究」領域が確固たる学問分野として成長している。
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今後の研究の推進方策 |
継続的に協働体制を強化していき、世界をリードする地下における極低放射能技術を使った素粒子原子核研究が継続的に発展するよう支援する。また他分野への波及にも継続的に注力する。特に、国際活動支援班と連携し、国際的なネットワークの構築、国内研究者の世界的なビジビリティーの向上を強力に支援する。また、若手研究会を中心に若手の育成にも注力を続ける。
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