研究領域 | 酸素を基軸とする生命の新たな統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
26111001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 泰生 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80212265)
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研究分担者 |
赤池 孝章 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20231798)
浦野 泰照 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20292956)
飛田 成史 群馬大学, 理工学研究科, 教授 (30164007)
山本 雅之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50166823)
中川 秀彦 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80281674)
三木 裕明 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80302602)
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 酸素生物学 |
研究実績の概要 |
領域代表者と研究分担者7名、連携研究者8名、外部評価者3名から総括班を構成し、研究支援活動、領域研究の調整・企画・情報発信・評価を以下の項目について行った。 1.第二回全体班会議を開催し(京都:2015年5月30、31日)各計画研究および公募班の研究代表者から、研究成果の発表を行った。また、総括班会議も開催し、領域の具体的な運営方法について審議した。2.日本分子生物学会、日本生化学会、日本農芸化学会、日本蛋白質科学会のそれぞれの年会において、シンポジウムやワークショップを共催・開催した。また、CARPEDIEMと合同で国際シンポジウムを開催した。さらに3件の研究会を開催した。3.新学術領域「ダイイングコード」と共同で、若手会議を開催した(千葉:2016年1月26-28日)。4.市民公開フォーラム、高校生への模擬講義、テレビ出演など、学生や市民に向けた本領域の啓発活動を積極的に行った。5.領域のホームページ(http://www.oxygenbiology.net)を運営し、領域の広報活動を精力的に行った。6.オミックス解析班による技術支援セミナーを2回開催した。総括班で購入した機器を領域全体の共通機器として、領域の測定技術拠点を形成した。インド・アムリタ大学産業科学開発センターのSankarprasad Bhuniya教授との共同研究により、活性イオウ検出プローブおよびガラクトシダーゼ活性検出プローブの開発研究を行い、共通機器である共焦点蛍光顕微鏡を用いることで、細胞内挙動および細胞応用時の性能について検証した。また、活性イオウおよび一酸化窒素関連活性種であるHNOのケージド化合物開発を行い、共通機器である共焦点蛍光顕微鏡を用いることで細胞応用可能であることを証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域を象徴させるべく、国際誌Pflugers Archiv European Journal of Physiologyに酸素生物学に関する特集号を発刊した(Oxygen Physiology: Sensors and Ion Channels:2016年1月)。また、市民公開フォーラム(地球環境フォーラム:2016年2月6日)、高校生への模擬講義(グローバルサイエンスキャンパス京都大学ELCAS:2015年10月17日)、テレビ出演(日本テレビ:放映2015年9月26日)など、学生や市民に向けた本領域の啓発活動を行った。その他の申請書に計画した今年度の予定に関しておおむね達成した。特に、第二回班会議においては、初年度の計画班の研究成果および新たに加入した公募班の研究説明を行うことで、領域内での課題と目的の共有が出来た。また、シンポジウムや研究会を開催することで、領域の広報活動および領域の研究成果を発信することが出来た。若手会議を他の新学術領域との合同にすることで、若手研究者間の新たな交流が生まれ、今後の共同研究に繋がる場を提供することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に行われた総括班活動を継続しながら、研究項目A01-A03における研究期間内での目標達成に向けて、各計画研究を鋭意推進する。 1.研究協力者(評価者)を中心に、計画研究の推進状況について評価・指導を行うと同時に、前年度開始した公募研究と計画研究との更なる連携強化を図る。また、領域外関連分野の研究者に向けた新技術・実験手法に関するトレーニングコースの企画や、若手育成に結び付くサポート的共同研究や国際的ネットワークの構築を推進することにより、若手の育成に取り組む。以上を総括するための全体班会議は5月28~29日に予定している。 2.公開シンポジウム・セミナーや国際シンポジウムなどの開催により、領域外関連分野の研究者との交流を推進する。さらに、サイエンス・スクールなどにより、学生や市民に向けた本領域の啓発活動を推進する。 3.本領域において枢要の位置づけである、生体内in vivoでの酸素・ROS・イオウメディエーター等の精密なリアルタイムイメージングを領域共通機器として運営する。個体レベルのイメージング装置においては、浦野・飛田・中川と連携することにより拠点を担う。小分子プローブおよび癌細胞初代培養技術支援に関しては、計画研究の中で生まれた成果から、浦野、森、山本による小分子プローブの提供と蛍光・発光センサータンパク質遺伝子導入動物の作成支援の形で進める。オミックス解析の技術支援については、その計画研究を進める赤池(スルファ・メタボロミクス)、内田(アダクトーム解析:総括班連携)が担当する。技術を十分に領域内に浸透させるために技術セミナーは、小分子プローブによる2光子イメージングについて開催の予定である。
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