研究領域 | 行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構 |
研究課題/領域番号 |
26112001
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
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研究分担者 |
尾上 浩隆 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, チームリーダー (80214196)
小池 康晴 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10302978)
礒村 宜和 玉川大学, 付置研究所, 教授 (00415077)
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
渡邉 大 京都大学, 医学研究科, 教授 (90303817)
伊佐 正 京都大学, 医学研究科, 教授 (20212805)
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90396466)
相澤 秀紀 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (80391837)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 行動適応 / 神経回路 / 機能シフト / 会議開催 / 広報 / 研究支援 |
研究実績の概要 |
本領域では、神経回路機能シフトの動態とそのメカニズムを解明するために、A01項目において、「神経回路の動態制御」を解析するための技術開発に取り組み、A02項目においては、「行動制御回路の発達と遷移」に注目し、種々の学習モデルを用い、環境に適応して神経回路が遷移する機構の解明に焦点をあてる。A03項目においては「行動制御回路の障害と再編」に着目し、脳・脊髄損傷モデルや注意、情動、ストレス応答の障害から機能回復する際の神経回路の再編機構の解明に取り組む。本年度、計画研究9班に加え、公募班35班が刷新され、本領域に参画した。前期と同様に各班の連携を深めるため、専門や研究技術に基づいて、公募班を10チームに再編成し、領域全体の進展に繋がる総括的な活動を展開した。企画運営委員会においては全体の運営方針に基づき、今年度の活動を検討し、実施した。研究集会委員会では第5回領域班会議(夏の班会議)を福島県立医大で、第2回国際シンポジウム(ACS2017)と第6回領域班会議(冬の班会議)を東京(一橋講堂)で開催した。夏の班会議では、第5回研究戦略ワークショップとして脳機能イメージングの新展開について、冬の班会議では、他の新学術領域と合同の若手シンポジウムを開催した。また、第6回研究戦略ワークショップとして数理モデルの活用について、東京工業大学において行い、関連する研究者間の交流を促進した。広報委員会ではホームページを運営し、News Letter No. 4を発行した。研究支援委員会ではベクター、イメージング、数理モデリング、電気生理、刺激・計測・行動分析技術に関するプラットフォームに基づき、種々の技術やリソースを他の研究班に供給し、支援を継続した。研究費滞在型支援制度において、4件の共同研究を支援した。領域の評価委員会より、最終年度へ向けたコメントをいただき、領域活動に活用する準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二期の活動を迎えるにあたり、公募班が刷新され、新たに35班が採択され、本領域に加わった。計画研究とこれらの公募研究35班を、専門と研究技術に基づいて、10チームに再編成し、連携を強化し、領域全体の進展に繋がる総括的な活動を展開することとした。領域班会議において、夏の班会議では、特に研究班間の連携がさらに促進し、共同研究が進むように取り計らった。冬の班会議では、第2回国際シンポジウムと連携して行い、領域内の研究者(特に新たに加わった公募班)の交流に加え、海外の研究者との交流を図った。第2回国際シンポジウム”Behavioral adaptation and functional recovery from pathological states”では、行動適応を媒介する神経伝達やシグナル伝達の研究と神経回路の構造・能および病態時の神経ネットワークやそこからの回復に関するネットワークの研究について、第一線の研究者からの発表を取り上げた。また、次世代脳プロジェクトと連携し、他領域との合同により若手シンポジウムを開催した。研究支援活動においては、引き続き、ウィルスベクターや遺伝子改変マウス・ラットなどのリソースとしての供給を継続し、実際の研究成果に生かされた。本年度の研究室滞在型支援制度では、4件の共同研究を支援し、第二期の研究が推進するように配慮した。研究戦略ワークショップでは、本領域の主要な技術である、脳機能イメージングの最先端研究を取り上げるとともに、数理モデル技術の活用について応用例を集め、実際の研究に取り入れる方策などを議論した。評価委員の先生方からも、最終年度の活動へ向けて有意義なコメントをいただき、領域の活動のとりまとめに活かしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
総括班では、平成30年度が最終年度となるため、第一には、これまで得られた体制を維持し、とりまとめの方向で研究を進めるように指導していく。また、可能ならば、最近構築された共同研究体制にも支援を行い、研究ができるだけ完成に近づくように支援したいと考えている。これまで通り、企画運営委員会において全体の運営方針、特に今年度の活動について検討するが、最終年度であることを踏まえ、全体がまとまる形で進めていく。研究集会委員会では、2018年5月に、第7回領域会議・第9回総括班会議を「人工知能と脳科学」領域(銅谷代表)と合同し、沖縄(恩納村)において開催する。数理デルの専門家との交流を通して、本領域でも進めてきた、この技術の応用をさらに進展させる狙いがある。この合同領域会議と連携し、第7回研究戦略ワークショップを開催し、これまで推進してきた共同研究の成果について特集する。同年12月に、第8回領域班会議(冬の班会議)・第10回総括班会議を東京で開催し、この会議と連携して、公開シンポジウムを計画する。公開シンポジウムでは、これまでの本領域の成果をとりまとめ、一般の方々へ向けた内容で成果報告会を行う予定である。冬の班会議では、他領域との若手合同シンポジウも計画する。広報委員会ではホームページの刷新を行うとともに、News Letter No. 5発行を行う。研究支援委員会では、これまでの研究支援を最後まで継続し、研究室滞在型支援活動も行う。評価委員会により、合同会議の後、および、公開シンポジウムの後に評価をいただき、全体の取りまとめに向かいたい。
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