• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム

総括班

研究領域細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム
研究課題/領域番号 26114001
研究機関北海道大学

研究代表者

藤田 恭之  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (50580974)

研究分担者 一條 秀憲  東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00242206)
井垣 達吏  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00467648)
鈴木 聡  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (10311565)
石谷 太  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (40448428)
高井 義美  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60093514)
倉永 英里奈  国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, その他 (90376591)
研究期間 (年度) 2014-07-10 – 2019-03-31
キーワード細胞競合
研究実績の概要

本領域では世界的に類を見ない細胞競合の統合的融合研究拠点を構築し、多角的かつ包括的に細胞競合研究を強力に推進する。それによって、細胞競合を制御する分子メカニズムの全貌を解明し、それらがどのように多細胞生命体の成立原理すなわち個体発生や恒常性維持に関わっているのか、またその破綻がどのような疾患や病態を引き起こすのかを明らかにする。本領域を推進することにより、「細胞競合」の新たな概念を確立し、生命科学の様々な分野に大きな波及効果をもたらす新次元の研究領域へと発展・昇華することを目指す。
平成27年度から、研究計画班に加えて18の公募班が加わり、本格的に細胞競合研究を推進する体制ができた。
平成27年9月には細胞競合研究の世界的権威である海外演者5名を招聘し、第1回細胞競合国際シンポジウムを京都で開催した。学会への参加者は100名を越える盛況を呈した。非常に重要なことに、このシンポジウム開催によって日本における細胞競合研究の興隆を世界に強く発信することができたことのみならず、海外の細胞競合研究者を強くinspireし、平成28年度にはマドリッドとフロリダで細胞競合国際シンポジウムが開催されることとなった(マドリッドでのシンポジウムは新学術領域細胞競合班と共催)。このように我が国における細胞競合研究を強く発信できたが、それ以上に、世界の細胞競合研究そのものに大きなインパクトを与える非常に重要な機会となった。
国際シンポジウムの翌日には領域会議を開催し、研究計画班、公募班の研究代表者がそれぞれの研究の進展について報告をし、情報を共有することによって、領域内の共同研究のさらなる促進に努めた。
平成28年3月には細胞競合コロキウムを札幌で開催し、若手研究者を中心に80名の参加者が、それぞれの研究内容を発表した。質疑応答も熱く活発なものであり、次世代の細胞競合を担う若手の育成のいい機会になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞競合は新しい研究分野であり、細胞競合そのものについての啓蒙と共同研究の促進が領域としての大きな課題であるが、両者ともにこれまでのところ順調に進展している。
平成27年度に開催した国際シンポジウムは、世界的にも細胞競合を冠した初めての国際学会であり、我が国において細胞競合研究が強く推進していることを国内外に示す非常に重要な機会となった。また、分子生物学会、癌学会、細胞生物学会でも新学術領域共催で細胞競合についてのシンポジウムやワークショップを開催し、細胞競合については「ホットなトピック」として強い印象を与えることに成功している。
領域内での共同研究も順調に進展している。複数の研究代表者による研究技術支援センターの運営によって、様々な実験技術の共有が行われている。さらに、領域会議や若手の会議で互いの研究内容を共有することによって、領域班内での共同研究が数多く進展し、複数の研究室が共著となっている論文が現在多く投稿準備中、あるいはすでに投稿されている。
また平成27年度は、領域内若手研究者共同研究推進費を計上し、領域内での若手研究者間の共同研究に数十万を供与することによって、3組の共同研究を推進することができた。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、平成28年度は研究計画班と公募班を含めた細胞競合研究グループ間における交流と共同研究を促進するために、さまざまな取り組みを行っていく。まず、4月に細胞競合研究分野における世界的権威であるベルン大学のEduardo Moreno博士と彼の研究室メンバーを日本に招聘し、細胞競合班のメンバーとともに「Cell Competition International symposium」を開催する。Moreno博士が行っている研究についての知見を深めるとともに、細胞競合班のメンバーの研究を紹介し、情報交換とその細胞競合班内での共有を進める。また8月に領域会議、来年3月に若手研究者対象の「細胞競合コロキウム」を開催する。さらに、新学術他領域の「ダイイングコード」班との共催で来年1月に合同若手研究者研究会議を行い、さらなる細胞競合研究の啓蒙と若手研究者の教育を深化させていく。それに加えて、これまでに引き続き、複数の研究代表者による研究技術支援センターの運営を行っていく。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 6件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] A role of the sphingosine-1-phosphate (S1P)- S1P receptor 2 pathway in Epithelial Defense Against Cancer (EDAC)2015

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, S., Yako, Y., Fujioka, Y., Kajita, M., Kameyama, T., Kon, S., Ishikawa, S., Ohba, Y., Ohno, Y., Kihara, A., and Fujita, Y.
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell

      巻: 27(3) ページ: 491-499

    • DOI

      10.1091/mbc.E15-03-0161

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The cell competition-based high-throughput screening identifies small compounds that promote the elimination of RasV12-transformed cells from epithelia.2015

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi, H., Matsumaru, T., Morita, T., Ishikawa, S., Maenaka, K., Takigawa, I., Semba, K., Kon, S. and Fujita, Y.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 5 ページ: 15336

    • DOI

      10.1038/srep15336

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EDAC: Epithelial defence against cancer- cell competition between normal and transformed epithelial cells in mammals.2015

    • 著者名/発表者名
      Kajita, M. and Fujita, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry

      巻: 158(1) ページ: 15-23

    • DOI

      10.1093/jb/mvv050

    • 査読あり
  • [学会発表] Competitve interactions between normal and transformed epithelial cells2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市、兵庫県)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] EDAC(Epitherial Defence Against Cancer)2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市、愛知県)
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Cell Competition and Warburg effect2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第1回国際シンポジウム Cell Competition in Development and Cancer
    • 発表場所
      京都大学(京都市、京都府)
    • 年月日
      2015-09-10
    • 国際学会
  • [学会発表] EDAC(Epitherial Defence Against Cancer)2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第33回日本ヒト細胞学会学術集会
    • 発表場所
      ホテルスカイタワー(宮崎市、宮崎県)
    • 年月日
      2015-08-22 – 2015-08-23
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞競合とWarburg effect2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第3回がんと代謝研究会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂(金沢市、石川県)
    • 年月日
      2015-07-16 – 2015-07-17
    • 招待講演
  • [学会発表] EDAC(Epitherial Defence Against Cancer)2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(江戸川区、東京都)
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-02
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Cell to Cell competition: survival of the fittest as a system of a cellular society2015

    • 著者名/発表者名
      藤田 恭之
    • 学会等名
      RISK-IR MEETING「Integration and Conceptual Framework Meeting」
    • 発表場所
      BIOPARK(パリ、フランス)
    • 年月日
      2015-04-27 – 2015-04-28
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子腫瘍分野のホームページ

    • URL

      http://www.igm.hokudai.ac.jp/oncology/index.html

  • [産業財産権] トランスジェニック非ヒト哺乳動物及び該動物を用いたがん治療薬のスクリーニング方法2016

    • 発明者名
      藤田 恭之
    • 権利者名
      藤田 恭之
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2016-54719
    • 出願年月日
      2016-03-18
  • [学会・シンポジウム開催] 第1回国際シンポジウム Cell Competition in Development and Cancer2015

    • 発表場所
      京都大学(京都市、京都府)
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-11

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi