| 研究領域 | 高難度物質変換反応の開発を指向した精密制御反応場の創出 |
|---|
| 研究課題/領域番号 |
15H05798
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
西林 仁昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40282579)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
|
| キーワード | 含窒素有機化合物 / 窒素分子 / 水素分子 / モリブデン / ルテニウム |
|---|
| 研究実績の概要 |
窒素分子からの直接的な含窒素有機化合物の触媒的合成反応の開発を目標として、鍵中間体であるモリブデン―ニトリド錯体の反応性について詳細な検討を行った。特に炭素求電子試薬を用いた化学量論反応を行い、ニトリド配位子部分との窒素―炭素結合生成反応について興味深い知見を得ることに成功した。モリブデン窒素錯体の反応性に加えて、鉄窒素錯体及びコバルト窒素錯体の触媒能を詳細に検討した結果、これらの錯体が触媒的アンモニア及びヒドラジン生成反応に触媒能を有することを明らかにした。更に、水素分子のプロトンと電子への触媒的変換反応の開発に関して、嵩高い置換基を有する硫黄架橋二核ルテニウム錯体の設計・合成を行い、特異な触媒能の検証を行った。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
提案した研究目標達成に向けて、興味深い研究成果が得られている。特に、触媒的アンモニア生成反応ついても、触媒的水素酸化反応についても、新しい知見を見出した。
|
| 今後の研究の推進方策 |
これまでに達成した知見を踏まえて、以下の研究計画に基づいて研究を推進させる。
・モリブデンニトリド錯体の化学量論反応の検討による新規触媒反応の開発の試み：触媒的アンモニア生成反応において特異な触媒能の示すことを見出しているPNP型ピンサー配位子を持つモリブデンニトリド錯体について、アルキンやアルケン等に代表される不飽和化合物に対する化学量論的な反応性について詳細な検討を行い、触媒的変換反応へと展開を試みる。
・窒素分子と水素分子及び水分子とからの触媒的アンモニア合成反応の開発：窒素分子と水素分子とからの触媒的アンモニア合成反応の開発に昨年度に引き続き取り組む。
・硫黄架橋２核鉄錯体を用いた水素分子の触媒的酸化反応の開発：より効率的な硫黄架橋２核ルテニウム錯体の開発に昨年度に引き続き取り組む。
|
