計画研究
現在までに定式化してきた海洋の中・深層および底層における乱流パラメタリゼーションの有効性を検証するため、顕著な内部波の励起源で、高解像度の海底凹凸地形データが存在する伊豆-小笠原海嶺上で行った乱流観測のデータを昨年度に引き続き解析した。その結果、乱流混合の鉛直構造の時空間変化が、主に、海底凹凸地形上を過ぎる潮流の振幅に強くコントロールされる一方で、海底凹凸地形の水平波数にはあまり依存しないという、研究代表者の理論的予測と整合的な結果を得ることができた。また、今年度は、インドネシア技術評価応用庁(BPPT)の研究船 Baruna Jaya Ⅳ を使用して、インドネシア多島海西部のビトゥンからマカッサルまでを結ぶ測線上に設定した観測点29地点において海面から海底直上までの乱流観測を実施し、長年謎であった同海域における乱流混合強度を定量的に把握した。さらに、この乱流観測と同時にCTD・LADCPによる観測を実施することで、インドネシア通過流(ITF)の水塊特性が鉛直乱流混合によって変性していく実態を初めて明らかにした。一方、海洋表層の混合過程については、まず、ラングミュア循環に関して数値実験を行うことで、風波と水平流との相互作用による新たな駆動機構を明らかにした。また、風成乱流による混合層の深化過程をLESにより再現することで、混合層深度のスケーリング則を見出し、バルク混合層モデルで用いられるパラメータの閾値を、従来の定数ではなく時間の関数として提示することができた。さらに、台風通過に伴う海面水温の低下過程をMellor-Yamada型の混合層モデルを組み込んだ数値実験を行うことで詳細に解析し、台風の伝播経路に影響を及ぼす海面水温低下域の右方偏心を始め、台風の発達過程の正確な予測には海洋の3次元過程の正確な再現が不可欠であることを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 6件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 13件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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http://www-aos.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~hibiya-lab/