計画研究
イオン活性種を経由する多段階合成を飛躍的に効率化させ、新規な機能性中分子創製を可能にすることを目指して、(1) 時空間制御に基づく含フッ素イオン活性種の制御法の開発、(2) イオン反応のリニアーインテグレーション、(3) イオン反応のクロスインテグレーション、(4) イオン反応のプロセスインテグレーション、について検討を行ってきている。本年度は、(1)の活性種の高次制御を基軸として、(2)のイオン反応のリニアーインテグレーション法の開発を目指して検討を行った。不安定フッ素置換有機リチウム種を発生させ、それが分解する前に迅速にカルボメタル化反応に利用するとともに、求電子剤でトラップすることにより三成分カップロング反応の開発に成功した。一方で、フロー内圧力に対する適切なデバイスやポンプ選定、より低流量での高速混合可能な新規デバイスの開発も実現した。
2: おおむね順調に進展している
計画通り進行しているため。
新たな活性種発生法として、分子間での活性種移動に基づくクロスインテグレーション法の開発に取り組む。申請者らは、トリフルオロメチルビニルリチウムの発生と反応に対して、マイクロリアクターによる時空間制御が有効であることを明らかにしている。そこで、ペルフルオロアルキルビニルリチウム種とイソシートとの反応によりリチウムアミドを生成させ、その後酸性度の高いアルコールやチオールや活性メチレン化合物などを作用させれば、リチウム移動による求核性とオレフィンの求電子性の相同的活性化、その後のカルボリチオ化へと空間的反応集積化へと利用できると考えられる。新規な活性種発生法となりうるとともに、ペプチドミメティックのモチーフとなる α-ペルフルオロアルキルアミド誘導体合成のための多成分連結反応の開発に展開する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 図書 (2件)
Flow microreactor synthesis of 2,2-disubs Open Chem.
巻: 14 ページ: 377-382
10.1515/chem-2016-0041
化学と工業
巻: 69 ページ: 117-119
Eur. Poly. J.
巻: 80 ページ: 227-233
10.1016/j.eurpolymj.2016.02.021
Org. Process Res. Dev.
巻: 20 ページ: 687-691
10.1021/acs.oprd.5b00414
Angew. Chem., Int. Ed.
巻: 55 ページ: 5327-5331
10.1002/anie.201601386
Catal. Sci. Tech.
巻: 6 ページ: 4690-4694
10.1039/C5CY02098K
巻: 20 ページ: 1377-1382
10.1021/acs.oprd.6b00158
Org. Chem. Front.
巻: 3 ページ: 1250-1253
10.1039/C6QO00257A
Chemical Engineering
巻: 61 ページ: 51-60