研究領域 | 反応集積化が導く中分子戦略:高次生物機能分子の創製 |
研究課題/領域番号 |
15H05849
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永木 愛一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80452275)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | マイクロリアクター / アニオン反応 / カチオン反応 |
研究実績の概要 |
イオン活性種を経由する多段階合成を飛躍的に効率化させ、新規な機能性中分子創製を可能とする反応集積化法を確立するための課題は以下4手法の開発である。(1) 時空間制御に基づくイオン活性種の制御法の開発、(2) イオン反応のリニアーインテグレーション、(3) イオン反応のクロスインテグレーション、(4) イオン反応のプロセスインテグレーション。本年度は、(4) イオン反応のプロセスインテグレーションの開発のための基盤技術の構築に取り組んだ。そのために、アニオン反応とのインテグレーションのための炭素カチオン発生法の開発を行った。具体的には、エナミンとTfOHをミキサーで混合し、N-アシルイミニウムイオンを発生させ、その後、ミキサーでアリルトリメチルシランを加えたところ、ミキサーにおける総流量が大きい条件では、多量化反応を抑えることができ、目的生成物が高収率で得られた。これによって、フローマイクロリアクターによる高速混合が選択的に炭素カチオン種を発生させ、多量化を抑制することに極めて効果的であることが明らかとなった。さらに、最適条件の検討および発生したカチオン種の安定性を調べるため、温度および滞留時間(反応時間)を変化させて反応を行い、温度―滞留時間マップを作成したところ、バッチ型反応器では達成不可能な0度において、滞留時間を0.02 sと極めて短く制御することによって炭素カチオン種を効率的に発生させ、続く反応に利用できることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終年度の準備が十分おこなえたため
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今後の研究の推進方策 |
イオン反応のリニアーインテグレーションおよびクロスインテグレーションを基盤に、短寿命有機アニオン活性種と有機カチオン活性種のイオン反応のプロセスインテグレーションの開発を目指す。すなわち、アニオン反応集積化により生成したアニオン性活性種とカチオン反応集積化により生成したカチオン性活性種とを反応させて、より高効率な中分子合成法に手法開発に挑戦する。
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