| 研究領域 | トポロジーが紡ぐ物質科学のフロンティア |
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| 研究課題/領域番号 |
15H05852
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
前野 悦輝 京都大学, 理学研究科, 教授 (80181600)
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| 研究分担者 |
松田 祐司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50199816)
高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
鄭 国慶 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (50231444)
藤本 聡 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10263063)
浅野 泰寛 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20271637)
宇田川 将文 学習院大学, 理学部, 准教授 (80431790)
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| 研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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| キーワード | トポロジー / 強相関電子 / トポロジカル超伝導 / トポロジカル半金属 / トポロジカル磁性体 |
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| 研究実績の概要 |
(1)-(3)各々で焦点を定めた研究を推進した。
(1) トポロジカル超伝導体：【カイラル超伝導現象】に関し、前野・米澤らは、s波超伝導体をSr2RuO4が囲むトポロジカル接合素子で、多成分秩序変数に伴う競合現象を論文発表した。浅野らはSr2RuO4とs波超伝導体のジョセフソン接合を用いて、時間反転対称性の破れの有無を正確に判定する方法を提案した。藤本らは、スピン三重項超伝導体・強磁性体接合系に特有のスピントルク効果の理論を発表した。【マヨラナ準粒子】の実証に向け、前野・米澤らは微小リングを用いて、単結晶では初のリトル・パークス振動の観測と、半整数量子化磁束を示唆する振動モード分裂を観測して論文発表した。【ワイル超伝導】に関し、藤本らは格子歪由来のワイル準粒子のランダウ量子化と、それに伴う熱伝導率の量子振動を予言した。このほか、松田・笠原・寺嶋らはトポロジカル超伝導状態が期待される重い電子系人工超格子の3層周期の「トリコロール薄膜」で、上部臨界磁場の低温での特異な上昇を観測した。
(2) トポロジカル半金属等：【モット半金属】前野・米澤らは、強相関電子系を制御して新たなトポロジカル相を生むための新奇な方法を論文公表した。すなわち、エネルギーギャップの小さなモット絶縁体に定常電流を強制的に流して半金属状態を誘起し、超伝導体以外では最大の反磁性磁化率を発見した。この現象は「モット半金属」と呼べる電子状態の誘起で説明出来る。
(3) トポロジカル磁性体：【パイロクロア酸化物】のスピン液体状態に関し、宇田川らは新しい古典スピン液体状態の形成を理論的に明らかにした。【ハニカム格子化合物】でのキタエフ・スピン液体の実現に関し、高木・北川らは、低温まで磁気転移しないH3LiIr2O6を開発した。松田・笠原らは、α-RuCl3単結晶の熱ホール係数のマヨラナ準粒子による量子化の観測を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマ（1）トポロジカル超伝導、（2）トポロジカル半金属等、（3）トポロジカル磁性体、それぞれで、着実に研究成果が挙がってきている。Sr2RuO4のトポロジカル超伝導については、海外との共同研究による一軸性圧力効果や、中性子回折による超伝導メカニズムに迫る成果なども挙げた。昨年度発見した、初の【ネマティック超伝導】や初の【アンチペロブスカイト酸化物超伝導】の研究も着々と進展して、いくつかの論文発表も行った。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、強相関電子物質でのトポロジカル相を (1) トポロジカル超伝導体、（２）トポロジカル半金属等、(3)トポロジカル磁性体、に系統づけて研究する。特にトポロジカル磁性体でのマヨラナ準粒子実証や、ナノ構造系でのトポロジカル超伝導現象解明などに重点を置いて研究を進める。これらに関して、新規参画の公募研究および他の研究項目との共同研究も一層進めることで、H30年度以降の研究を推進する。
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