計画研究
最終年度にあたり、これまでの研究成果の総括を行うとともに、トポロジカル科学の今後の展開の芽となるようなテーマの研究も進めた。◆1. トポロジカル超伝導体:【ネマティック超伝導】の最初の例を、ドープしたトポロジカル絶縁体CuxBi2Se3で発見した成果を踏まえ、ピエゾ一軸圧装置でネマティック超伝導ドメインの制御に成功した。【カイラル超伝導現象】に関して、以前のNMR実験で試料過熱の問題があったことを定量的に明らかにした。この結果、新展開の見られるSr2RuO4を中心に、磁束量子化現象や強磁性体との超伝導接合での奇周波数ペアリングの研究を進めた。接合実験とミュオンスピン回転の実験からは、時間反転対称に関して一見相反する結果が出ており、それらの解釈が注目されている。◆2. トポロジカル磁性体:【ハニカム格子化合物】α-RuCl3において、キタエフ量子スピン液体で期待される熱ホール効果の量子化を観測し、《マヨラナ準粒子》の存在を世界で初めて示す大きな成果を挙げた。今年度は領域内の実験・理論の強い協力体制で、面内磁場での半整数熱量子ホール効果を観測した。ハニカム格子化合物の水素置換体H3LiIr2O6では極低温までスピン液体性を実現した。【パイロクロア酸化物】での量子スピンアイス状態で半整数の磁気量子数を備えた素励起である磁気モノポールの理論解析を深めた。◆3. トポロジカル半金属等:3Dディラック半金属の【アンチペロブスカイト酸化物】で初めての超伝導体Sr3-xSnOを発見した成果を踏まえ、メスバウアー効果とミュオンスピン緩和等を駆使してその負イオン金属の電子状態と基本的超伝導特性を明らかにした。非平衡状態のトポロジカル相発現に関する理論との連携も進めた。◆4.公募研究を含めて研究項目内の連携をさらに強め、領域目的の達成に向けての他の研究項目との共同研究の成果もとりまとめた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 7件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (39件) (うち国際学会 35件、 招待講演 34件) 図書 (1件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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