計画研究
本年度は、(1)トポロジカル量子相転移の解明、(2)トポロジカル半金属相の実現、(3)ディラック電子制御による新奇物性発現、(4)トポロジカル超伝導体の開発と検証、(5)エッジ流・奇周波数電子対・マヨラナ準粒子の検証についての研究と、研究全体の総括を行った。(1, 2) Fe3Sn2の薄膜化を行い、Fe:Sn=3:2の組成の非結晶相で大きな異常ホール効果を見出した。磁場印加によるホール抵抗の大きさはSi系ホール素子の性能と同等であることがわかった。これらより、室温以上の強磁性転移温度を持つ磁性ワイル半金属物質群が素子利用に有望であることを示唆した。また、ARPESによりZrGeXc(Xc=S、Se、Te)とCeBiが特殊な表面状態をもつトポロジカル半金属であることを明らかにした。(3, 4) トポロジカル絶縁体上のPb薄膜におけるARPESを行った結果、界面に埋もれて見えないはずのディラック電子バンドにおける超伝導ギャップがPb表面において観測された。これらより、超伝導近接効果を用いずともトポロジカル超伝導が実現できることを示唆した。(5) カイラル対称性がある場合にエッジ状態として誘起される奇周波数クーパー対とバルクのグリーン関数の間にスペクトラル・バルクエッジ対応と呼ばれる関係式が成り立つことを予言し、Kitaev鎖やスピン軌道結合のあるナノワイヤ超伝導近接効果系などのモデルに対して数値的に成り立つことを示した。1次元p波超伝導モデルであるKitaev鎖における奇周波数ペアはマヨラナフェルミオンと1対1対応を持つことを示し、量子臨界点において奇周波数ペアが半無限Kitaev鎖のバルク領域へと広がることを見出した。研究全体を総括し、対称性に基づいたトポロジカル半金属の分類、薄膜におけるディラック電子デバイスの実現、トポロジカル超伝導の検証などについて総合的な考察を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (33件) (うち国際共著 9件、 査読あり 33件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 14件、 招待講演 12件)
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