計画研究
ゼブラフィッシュ胚の体節の伸長が細胞の集団回転運動によって促進されるメカニズムをより詳細に調べるうえで以下のような細胞速度の測定に関する問題が新たに判明したため、今年度は測定方法を再検討した。細胞の移動速度の算出には各時刻における細胞の座標を用いるが、胚の成長などに伴って視野が次第にずれていく場合は、通常であれば何らかのランドマークを基準点と定めるなどの補正を行ったうえで座標を算出するのが一般的である。本解析においても、これまでは体節の重心位置を基準点とすることで細胞の速度を算出していた。しかしこの方法に基づいた細胞速度は体節全体が時間とともに形態変化していくことによる影響を強く受けてしまうことが分かったため、1)体節の外部に位置する組織学的なランドマーク(体節と脊索の接点)を基準点に採用する、2)体節の長軸を中心とする円筒座標を用いて回転速度を求める、3)体節全域に座標系を設定する代わりに、体節前方領域、側方領域などの局所的な領域に座標系を設定し、領域ごとの細胞速度を算出する、という手法により細胞の移動速度が算出できるかどうかを検討した。その結果、体節の各領域において局所的に速度を算出し比較する方法が、目測による結果ともっともよく一致するということが明らかとなった。現在、本方法を用いて細胞の移動速度を再度評価しているところであり、結果が確認でき次第本成果を論文として投稿する予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Molecular Genetics & Genomic Medicine
巻: 8(3) ページ: e1107
10.1002/mgg3.1107
Cell Reports
巻: 27 ページ: 928-939
10.1016/j.celrep.2019.03.068.
http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/~hassei/index.html