研究領域 | 非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解 |
研究課題/領域番号 |
15H05881
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
宇川 義一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50168671)
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研究分担者 |
花島 律子 鳥取大学, 医学部, 教授 (80396738)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | オシレーション / 磁気刺激 / 大脳基底核 / I-wave / パーキンソン病 / ALS / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
大脳皮質固有リズム(オシレーション)の研究 Triad stimulation method(TS)により、これまで様々な疾患で一次運動野での固有リズムに異常がある事をしめして来た。この結果を踏まえて、長期的にリズム刺激をした後に、そのリズムの効果が、その後も持続するかを検討する新しい刺激実験を予定している。すでに準備を進めている。 運動野でのリズム形成の機序の考察:単発刺激でも、その後運動野から下行路へ連続的なボレーが発生する事が以前から知られている。この機序に関しては、十分解明されていない。この発生過程に、樹状突起でのdendritic backpropagation とsynaptic input によるカルシウム電位が関連していると考えている。カルシウム電位の時のbursting と言う現象が、連続発火の頻度を規定していると考える。この理論を新しい説として、発表する事を予定している。ヒトの脳での、最も高頻度のオシレーション発生機序の解明と言える。 正常人での薬物負荷・反復磁気刺激:様々な治療薬投与・反復磁気刺激を行う事により、脳のどの領域間の・どの周波数の関連が変化するかを解析して、治療薬・磁気刺激治療の作用機序をオシロロジーとして解釈する。今年度は、カフェインのPQSへの影響を解析した。カフェインがLTPの誘導を抑制する効果が見られた。 末梢での電流知覚の周波数依存性:ヒトの電流刺激では、同種類の刺激でも周波数により受け取る感覚の種類が変化する。この周波数と末梢での感覚の関係を解析して、論文として発表した。末梢神経でのオシロロジーである。 内因性時間認知の変化:あるリズムを再生する時の結果から、内因性のリズム解析をパーキンソン病で行い、異常を証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の実験で遅れをとっているが、全体としては、概ね予定通りである。今年から、磁気刺激でのI-wave発生機序の解析を新しく加えた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が最終年度であるため、これまでの研究結果のまとめをする予定である。まとめるにあたり、今年は海外の共同研究者と共同実験を、日本、相手の国の両方で行い、最終的な結論を出す。今年から、磁気刺激でのI-wave発生機序の解析を新しく加えた。
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