計画研究
前年発生させた近赤外波長域の広帯域光コムをシード光とし、チャープ型PPLN導波路により第2~4高調波を発生させることで、可視波長域の広帯域光コムを発生させた。間隔周波数は30GHz、波長域は350~405、450~535、675~830 nmにおよび、30 GHz級繰り返し周波数の光コムとして世界最高の広帯域を達成した。また、リモート操作機能を実装して堅牢性を向上させ、すばる望遠鏡に搭載するための準備を整えた。波長1.5 μm帯の光コムの切り出しにおいて、長期安定性の向上に資する全光ファイバベースの光共振器の開発をさらに進めた。その結果、全ファイバ構成の光共振器で最高となる21倍の増倍率を実現してGHz帯の繰り返し周波数を達成した。同時に、低損失の融着ファイバを導入して共振器のフィネスを高め、ファイバ共振器として極めて高い30 dBの再度モード抑圧比を達成した。また、共振器長のフィードバック制御による安定化を実現し、環境変動に対する長期安定性の向上を実証した。宇宙の加速膨張の直接検出の理論的検討については、(1)赤方偏移の時間変化の測定に付随する系統誤差について、とくに大マゼラン星雲の重力の効果に着目して検討した。LMCの効果は赤方偏移の時間変化の測定においては無視できないことが分かった。(2)非共形(disformal)変換のもとでの宇宙論的な観測量の不変性について議論した。これまでの主張とは異なり、角径距離と光度距離の間の関係は変更を受けないことが分かった。宇宙加速膨張の直接検出に必要な解析手法を確立すべく、クェーサーから噴き出すアウトフローガスによる線幅の小さい吸収線の放出速度の測定精度の向上に努めた。欧州南天天文台(VLT)の高分散分光器で取得された73天体のクェーサーのスペクトル上で多数のアウトフロー起源の吸収線を同定し、学術論文として報告した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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