計画研究
免疫担当細胞に準備済みの脂肪酸ライブラリー(64種類)を終濃度10 uMで添加し、種々のサイトカインのmRNAとタンパク質の定量を行い、各種脂肪酸の分化への影響を観察した。a)樹状細胞分化における脂肪酸の影響:B6マウスの骨髄細胞を10 ng/mlのGM-CSFで6日間培養した。分化途中の培養0, 2, 4日目に各脂肪酸を終濃度10 uMで添加した。培養6日目にLPSを終濃度100 ng/mlになるよう添加し、4時間後に細胞からTotal RNAを回収し、定量的PCR法にてIL-12 p35、p40、IL-4、IL-6、TGFβ、IL-23p19のmRNA量を測定した。複数の脂肪酸が、LPSによるIL-12 p35産生を抑制した。b)T細胞Th0/1/2/17分化における脂肪酸の影響:B6マウスの脾臓とリンパ節より細胞浮遊液を作製し、TER119、pan-NK、CD8α、CD11b、CD11c、B220、CD25抗体でdepletionを行い、naive CD4陽性細胞を単離した。これらを5 ug/mlの濃度でプレートに固相化した抗CD3抗体と0.5 ug/ml抗CD28抗体で4日間刺激し、Th0分化を行うが、刺激開始時と2日後に各脂肪酸を終濃度10 uMで添加した。4日後に培養上清中のIFNγとIL-4をELISAで定量した。同様に、既に確立されている培養条件でTh1/2/17にも分化させる際にも各脂肪酸を終濃度10 uMで添加し、サイトカイン産生への各種脂肪酸の影響を観察した。Th1分化ではIFNγ、Th2分化ではIL-13、Th17分化ではIL-17量を定量した。複数の脂肪酸がサイトカイン産生を阻害した。c)有機合成法が確立されず、クオリティ研究の遅れている不飽和脂肪酸代謝産物(レゾルビンD4、レゾルビンE1代謝産物) の合成法を確立した。
2: おおむね順調に進展している
ほぼ申請書の平成27年度に記載した通りに研究が遂行できているため。
申請書の平成28年度に記載した通りに研究を遂行する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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