計画研究
癌の起源と進化に関する解析では、潰瘍性大腸炎による上皮再構築メカニズムと発がんとの関係を解明した(Kakiuchiら、Nature 2019)。長期間の炎症に暴露された大腸粘膜と、これを背景として発症する大腸がんの大規模なゲノム解析を通じて、潰瘍性大腸炎の長期罹患患者の大腸上皮では、炎症に関わるIL-17シグナル経路の遺伝子変異を獲得した細胞が増加し、直腸の半分以上の領域を置き換えていることを明らかにした。興味深いことに、IL-17シグナル経路の遺伝子変異のうち、いくつかの変異は大腸がんではほとんど認められず、これらの遺伝子変異を獲得した上皮細胞は発がんし難かったため、有望な治療標的となり得ることが示唆された。癌のシーケンスだけでは発がんし難い変異の解析は難しく、癌の起源と進化に関する非常に重要な知見を得ることができた。胚細胞変異の解析では、引き続きDDX41の胚細胞変異の解析を継続した。MDSの解析症例を多数追加し、合計2000例の解析を行い、リスクアリルの種類や頻度等の評価を進めた。また、同DDX41遺伝子の遺伝子改変マウスを用いた解析ではDDX41の欠失で造血不全を認め、RNAシーケンス等でDDX41の造血器における標的パスウェイを同定した。臨床シーケンスに関する検討では、前年度までにStageII/IIIの大腸癌検体2000例について既知のドライバー変異に関するターゲットシーケンスを行い遺伝子変異の同定およびコピー数異常を解析したが、今年度は同2000検体についてRNAシーケンスを行い、遺伝子発現プロファイルや融合遺伝子の解析を行った。これらのゲノムおよびトランスクリプトームを臨床情報と統合的に解析することにより、病型分類やバイオマーカーについて重要な知見を得ることができた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (47件) (うち査読あり 46件、 オープンアクセス 46件) 学会発表 (42件) (うち国際学会 25件、 招待講演 9件) 備考 (3件)
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