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2019 年度 実績報告書

肺がんの分子病態をノンコーディングRNAから俯瞰するシステム的統合研究

計画研究

研究領域がんシステムの新次元俯瞰と攻略
研究課題/領域番号 15H05910
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

高橋 隆  愛知県がんセンター(研究所), 総長, 総長 (50231395)

研究分担者 梶野 泰祐  愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 主任研究員 (50723673)
細野 祥之  愛知県がんセンター(研究所), がん標的治療TR分野, ユニット長 (60820363)
研究期間 (年度) 2015-06-29 – 2020-03-31
キーワード癌 / システム生物学 / ノンコーディングRNA
研究実績の概要

これまでにシステム生物学的解析を通じて探索・同定しMYMLRと名付けたlncRNAが、代表的ながん遺伝子MYCのプロモーターとエンハンサーを、PCBP2との結合を通じて近接化せしめ、MYC遺伝子の転写活性を維持することを明らかとし論文発表した (Kajino et al., EMBO J., 2019)。さらに昨年度にmiR-20aの標的lncRNAの探索を進める過程で、p53の発現抑制機能を持つことを見出しTILRと名付けたlncRNAに関して、その分子機構の解明を目指した検討を継続して進めた。その結果、TILRをノックダウンするとp53の代表的な標的遺伝子であるp21やMDM2が発現上昇すること、そしてこの発現上昇がp53のノックダウンによって抑制されることを見出した。p21のプロモーターを用いたluciferaseアッセイは、TILRのノックダウンによるp21のプロモーター活性の上昇が、p53結合領域の存在に必要とすることを示した。網羅的な遺伝子発現解析によるパスウェイ解析においてもTILRノックダウンの影響はp53経路に最も顕著であり、TILRがp53の発現制御を介してその活性を抑制していることが明らかとなった。さらに、ビオチン化TILRを用いた網羅的な結合タンパク質の探索を行い、TILR-binding protein 1 (TBP1)を同定するとともに、TILRとTBP1の結合について、in vitroの解析によって直接の結合を、また肺癌培養細胞を用いて内因性蛋白質間の結合をそれぞれ明らかにした。興味深いことに、TBP1をノックダウンしたところp53の発現が上昇し、またp21やMDM2の発現が著しく上昇したことから、TILRとTBP1の結合を通じた協調的なp53の発現抑制に関わる分子機構が存在することが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ROR1-CAVIN3 interaction required for caveolae-dependent endocytosis and pro-survival signaling in lung adenocarcinoma.2019

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi T, Hayashi M, Ida L, Yamamoto M, Lu C, Kajino T, Cheng J Nakatochi M, Isomura H, Yamazaki M, Suzuki M, Fujimoto T, Takahashi T.
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 38 ページ: 5142-5157

    • DOI

      org/10.1038/s41388-019-0785-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Divergent lncRNA MYMLR regulates MYC by eliciting DNA looping and promoter-enhancer interaction.2019

    • 著者名/発表者名
      Kajino T, Shimamura T, Gong S, Yanagisawa K, Ida L, Nakatochi M, Griesing S, Shimada Y, Kano K, Suzuki M, Miyano S, Takahashi T
    • 雑誌名

      EMBO J

      巻: 38 ページ: e98441

    • DOI

      org/10.15252/embj.201798441

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Divergent lncRNA MYMLR regulated MYC by eliciting DNA looping and promotoer-enhancer interaction.2020

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T
    • 学会等名
      International Conference on Cancer Systems Biology Beyond
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] システム生物学的な探索によるMYC制御lncRNA、MYMLRの同定と機能解明2019

    • 著者名/発表者名
      Kajino T, Shimamura T, Gong S, Yanagisawa K, Ida L, Nakatochi M, Griesing S, Shimada Y, Kano K, Suzuki M, Miyano S, Takahashi T
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会

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公開日: 2021-01-27  

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