研究領域 | 多様な質感認識の科学的解明と革新的質感技術の創出 |
研究課題/領域番号 |
15H05924
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土橋 宜典 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (00295841)
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研究分担者 |
井尻 敬 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (30550347)
藤堂 英樹 中央学院大学, 現代教養学部, 助教 (30576517)
岡部 誠 静岡大学, 工学部, 准教授 (40557211)
岩崎 慶 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90379610)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | コンピュータグラフィックス |
研究実績の概要 |
質感の表現・解析・編集に関する研究を並列的に推進している。それぞれについて、本年度成果が得られたものを述べる。 質感の表現に関しては、CT計測と写真を用いてテクスチャ付き3次元モデルを生成するシステムについて開発した。これによって、花や昆虫など複雑な構造を持つ物体を内部構造まで含めてデジタイズすることができる。また、任意の質感を表現可能な特殊な反射板の設計手法が完成した。これによって、平面に印刷されたものでありながら、光源や視点方向によって異なる画像を提示することが可能となる。 質感の解析については、質感認知への物体形状の影響について基礎実験と考察を行った。 質感の編集については、主に、流体と布の質感表現について成果が得られた。流体については、事前に計算されたデータベースを組み合わせることで大規模な流体の質感を表現する手法、低解像度と高解像度のシミュレーションを組み合わせて低コストで高解像度の流体の質感を表現する手法などを開発した。布の表現については、与えられた質感を表現する布の織りパターンを逆算する手法を開発した。その他、画像を利用した手法についても開発した。2次元画像から3次元の雲を生成する手法や低コストの流体シミュレーションと実写を組み合わせてリアルな流体の3次元動画を生成する手法を開発した。質感に関する補助的な研究として、室内の家具配置問題に関する研究も実施した。 以上の研究により、国際論文3件、国内論文2件、国際会議発表4件、国内学会発表3件の成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質感の表現関して、当初予定していたCTによる計測から精密なCG画像の生成とその効率化に関して、拡散反射による場合については完了した。質感の解析については、形状の影響に関して、基礎実験が完了した。質感の編集については、布の質感の逆問題から着手を開始し、着実に成果が認められつつある。これらのことから、質感の解析に関する成果がやや少ないが、表現・解析・編集、それぞれについて、一定の成果が出ており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
全体として、質感の表現および編集と比べると、質感の解析に関する成果が十分ではない。また、当初計画にあった音に関する質感表現に関して、着手はしているものの未だ成果に結びついていない。質感の解析に関しては、大学院生を新たに参加させ、また、他チームとの連携によって研究を加速させる。音の質感表現に関しては、海外研究者との共同研究によって研究を加速させる。その他の研究については、現在の状況を保持する。
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