超ストレス環境・宇宙を見据えた新規睡眠覚醒制御手法の開発

2019 年度 研究成果報告書

• 研究領域: 宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解
• 研究課題/領域番号: 15H05942
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 複合領域
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 長瀬 博 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (70383651)
• 研究分担者: 北川 博之 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (00204876) ; 徳山 薫平 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (00207565) ; 小久保 利雄 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (30750004) ; 浅田 知栄 (松田知栄) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主任研究開発員 (50344099) ; 船戸 弘正 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授(WPI-IIIS) (90363118) ; 柳沢 正史 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (20202369)
• 研究期間 (年度): 2015-06-29 – 2020-03-31
• キーワード: 睡眠

研究成果の概要

AI脳波解析ソフトウェアとウェラブル脳波測定デバイスの開発に取り組み、深層学習によるマウスの脳波解析において、精度96.6%で睡眠ステージ判定が可能なソフトウェアの開発に成功した。GABAA受容体作動薬と最近開発されたオレキシン受容体拮抗薬を比較して、後者が身体・認知機能に与える影響が小さいことを証明した。睡眠制御遺伝子Sleepyの研究において、Sleepy変異マウスのリン酸化プロテオーム解析によって、覚醒状態が継続するとシナプスタンパク質のリン酸化が亢進することを見出した。オレキシン1受容体拮抗薬の研究により、オレキシン1受容体は恐怖記憶の固定化や薬物依存に重要である事を見出した

自由記述の分野

創薬化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

現代はグローバル化による24時間型社会であり、多くの人々が厳しい環境とストレスにさらされて恒常性に異常をきたし、睡眠障害やリズム障害に苦しんでいる。国際宇宙ステーション（ISS）に居住する宇宙飛行士も、極端に短い日周期や閉鎖環境、過密スケジュール等の厳しい条件にさらされており、ISS環境は現代ストレス社会の究極と捉えることができる。本研究の成果睡眠診断法および新規睡眠覚醒制御手法を開発してISS環境における睡眠問題の解決が期待できる。さらに研究成果を地上で応用・展開することにより、現代ストレス社会・高齢化社会の睡眠問題の解決も期待する。