研究領域 | 共鳴誘導で革新するバイオイメージング |
研究課題/領域番号 |
15H05949
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
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研究分担者 |
築地 真也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40359659)
平塚 拓也 京都大学, 医学研究科, 助教 (90641639)
隅山 健太 国立研究開発法人理化学研究所, その他部局等, ユニットリーダー (00370114)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | FRETバイオセンサー / 蛍光タンパク質 / 分子プローブ |
研究実績の概要 |
FRETバイオセンサーはカルシウムやATPなどの低分子、Gタンパク質やタンパク質リン酸化酵素等の情報伝達分子など多様な分子活性や環境情報を可視化することができる。研究室においてはFRETバイオセンサーを培養細胞やトランスジェニックマウス(FRETマウスと呼んでいる)に安定して発現させる技術を開発した。このFRETマウスの表皮基底細胞を多光子顕微鏡で観察したところ、約直径100 ミクロンの領域に30分かけてERK活性が打ち上げ花火のように伝搬される様子が観察された。Spatial propagation of radial ERK activity distribution (SPREAD)と命名したこの現象の発見は、FRETマウスの観察がこれまでの培養細胞を用いた研究からは想像もできないような発見をもたらすことの証拠である。神経や免疫細胞以外での細胞間情報伝達を可視化した研究はほとんど知られていないので、これまでの研究を継続し、新しい発見を目指している。さらに、新しい画像処理技術や摂動実験のツールを導入することで、これまでになかった“生きたマウスを使った細胞社会のシステム的研究”を創生しようとしている。現在、単層培養細胞から器官培養へ、そして生体へと情報伝達研究は大きく変化しつつあるので、FRETマウスを用いた研究はこの新しい潮流の駆動力とすべく研究を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FRETバイオセンサーの高度化については、高感度化、長波長化、多色化を進めている。今年度はクサビラオレンジやクサビラグリーンを用いるFRETバイオセンサーの作成を行った。しかし、これまでのシアン蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質のFRETペア以上のものは作成できなかった。また、第二世代FRETマウスの開発と多様な臓器でのイメージング技術の開発を目指して、BACクローントランスジェニックマウスを作製した。現在、繁殖してどの組織で発現しているかを解析している。3次元画像タイムラプスデータから、細胞間コミュニケーション情報を抽出するプログラムを開発している。2次元では良い結果が得られるものの3次元では細胞の同定が難しく改良が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
バイオセンサーについては、より多くの蛍光タンパク質について試していく。 トランスジェニックマウスについては作成できたものから順次解析を進めていく 画像解析プログラムについては、今後、理研の画像解析チームとも協力しながらより性能の向上を目指す。
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