研究領域 | 共鳴誘導で革新するバイオイメージング |
研究課題/領域番号 |
15H05950
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 教授 (50272399)
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研究分担者 |
上村 真生 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 講師 (80706888)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 近赤外 / イメージング / 蛍光 / CT / OTN / 小動物 |
研究実績の概要 |
本研究班では生体において極めて高い観察深度を期待できるSBWにおける生体深部高精細蛍光イメージングシステムの実現に向けて次の3つの課題の達成に取り組むことを計画した。(課題1)種々のイメージングシーンに対応する明るい蛍光プローブの開発、(課題2)毛細血管、神経、脳を描出するための高精細イメージングシステムの開発、(課題3)数cmの観察深度を生かしたCTおよび共焦点原理による三次元イメージングの実現。 本研究の具体的な目標到達点に対し、本年度はそれぞれ次の通りの研究を実施することを目標とし、成果を得た。。 課題1. 明るい蛍光プローブ:昨年度までに開発した明るい蛍光を示す色素内包ポリマーミセルによるOTN-NIR蛍光プローブを用いてマウス皮下1 cmにおいてin vivo イメージングを実現する。課題1の成果として、IR-1061蛍光色素を内包する疎水コア親水シェル蛍光ナノプローブの作製方法を確立し、これを用いたin vivoイメージングを上記条件にて実証した。また同色素にRED-CNPを内包した場合の温度を中心とする環境パラメータをレポートするプローブの設計を行った。 課題2. 高精細イメージング:神経の周囲や主要患部に発達する新生血管を、観察深度1 cmで明瞭に描出するOTN-NIR蛍光イメージングシステムの開発を継続する。課題2の成果としてOTN-NIR蛍光実体顕微鏡を設計し、設備した。 課題3. OTN-NIR蛍光イメージの三次元化:CT原理による三次元化の昨年までの成果を受けて、OTN-NIR蛍光CTイメージングの可能性と限界を明らかにする。課題3の成果として、OTN-NIR蛍光CTイメージングにおけるデータ取得性能の向上とシートレーザーメカニズムにおけるメリット、デメリットの比較を行った。この研究は昨年度に引き続き横田班との連携により実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に述べた通り順調に進行している。さらに進行に伴い生じた新たな問題提起を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
課題1. 明るい蛍光プローブへのターゲティング能の付与:昨年度までに開発した明るい蛍光を示す色素内包ポリマーミセルによるOTN-NIR蛍光プローブにリガンドとしてHER2抗体を導入し、皮下に発現したがんのOTN-NIR蛍光染色とイメージングを試みる 。 課題2. 高精細イメージング:昨年度整備した新生血管を、観察深度1 cmで明瞭に描出するOTN-NIR蛍光イメージングシステムを用いて、一般の顕微鏡よりもマクロであり、in vivoイメージングよりはミクロなスケール領域においてワーキングディスタンスを生かしてOTN-NIRバイオイメージングを実施する。 課題3. OTN-NIR蛍光イメージの三次元化:CT原理による三次元化の昨年までの成果を受けて、鼻腔内に投与した蛍光ナノプローブの3次元挙動解析を行う。本研究は横田計画班との共同により進めている。 課題4. 蛍光イメージングにおける光散乱によるバックグラウンドの低減を狙い、OTN-NIRタイムゲートイメージングを実施し、OTN-NIR蛍光イメージにおける光散乱によるバックグラウンドの完全な除去を試みる。
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