計画研究
寄生植物は穀物を含むさまざまな作物に寄生し、収穫量を大幅に減らす。特にアフリカや地中海沿岸での農業への被害は深刻であるが、寄生植物がどのように寄生するのかを理解することは、こうした被害への対策を講じるうえで重要なステップと考えられる。これまでに寄生植物ストライガのゲノムを世界に先駆けて解読し、寄生の進化に関する情報を得た。特にストライガの発芽に必要なストリゴラクトン受容体をコードする遺伝子の数が大幅に増えていることから、ストライガが宿主の多様なストリゴラクトンを認識できるように進化していることが明らかになった。また、ストライガのゲノム上に宿主からの伝播した遺伝子が含まれており、中には30kbを超える複数の遺伝子を含む領域が伝播していることから、かなり大きなゲノムDNAの移動があることが明らかになった。また、寄生植物は吸器と呼ばれる侵入器官を形成し、この器官を介して宿主組織に侵入、道管を連結することで宿主との連絡を確立し、この連絡を介して水や栄養を宿主から奪うが、ストライガのトランスクリプトーム解析から、吸器の発生が側根の発生と共通性があることも明らかになった。寄生植物コシオガマのゲノム・トランスクリプトーム解析により、吸器の宿主陥入細胞(Intrusive Cell)特異的に発現する遺伝子群を同定した。その中でもSBT遺伝子群に関しては、そのプロモーターにSBT阻害タンパク質をコードする遺伝子を発現させると、道管細胞の発生に異常が見られることから、SBTが吸器発生に重要な因子であることが明らかになった。オーキシン移動の極性に関しては、吸器での発現を確認したオーキシントランスポーターであるPINとLAXタンパク質の細胞内局在を可視化することによって、吸器発生においてオーキシンの局所的蓄積が重要な役割をすることを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 8件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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