計画研究
植物のDNA損傷ストレス(放射線や薬剤)感受性を利用して、ヒストン修飾酵素群やクロマチンリモデリング因子群の中から同定下植物のクロマチンの動態を制御する因子の解析を進めた。この因子のインタラクトーム解析を免疫沈降による相互作用因子同定により同定した。さらに、LacO/lacI挿入によるクロマチン特異的部位の3次元解析、mintbodyやTGVを利用したクロマチン動態解析をおこなった。1)相同染色体クロマチンの核内配置を制御するクロマチンリモデリング因子の同定 DNA損傷応答におけるクロマチン動態を解析するために、クロマチン蛍光タグシステムlacO/LacI-EGFPシステムを用い、シロイヌナズナ細胞核における相同染色体座を可視化した。2)クロマチンの核内配置を制御する核内複合体の解析シロイヌナズナの細胞核では、ヘテロクロマチンであるセントロメア・クロマチンが核膜周縁部に分散配置する。コンデンシン変異体において、セントロメア・クロマチンが細胞核の片方に偏在して局在する現象を観察した。3)ゲノム編集を用いたクロマチンライブイメージング法の開発 核内のクロマチン配置は環境ストレスに対するゲノムメンテナンスや発現制御に関与する。核内のクロマチン配置の研究は、主にFISH法によって行われてきたが、固定や変性等の処理が必要なため、元の構造の保存性の問題や時空間的な解析が難しいなど問題点があった。そこで、ゲノム編集技術特異的なクロマチンを可視化するTGV法を行った。シロイヌナズナ受精卵をライブイメージングする系を立ち上げ、これまでに、細胞骨格の微細構造の観察と特異的な阻害剤投与実験が可能であることを確認した。
1: 当初の計画以上に進展している
シロイヌナズナのTGV系の立ち上げに成功し、植物クロマチン・ライブイメージングの道が開けたから。また、シロイヌナズナ受精卵をライブイメージングする系を立ち上げ、これまでに、細胞骨格の微細構造の観察と特異的な阻害剤投与実験が可能であることを確認することに成功したため。
環境刺激によって、クロマチン動態制御因子がどのように核内のクロマチン構造を変化させるメカニズムを、遺伝子発現とエピジェネティクス制御の面から解析していく。また、ヒストン修飾やDNAメチル化のライブイメージング系の開発を進めて、環境刺激に応答する細胞や情報を記憶する細胞の同定やメカニズム解明に貢献する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (89件) (うち国際学会 23件、 招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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