研究領域 | 稲作と中国文明-総合稲作文明学の新構築- |
研究課題/領域番号 |
15H05967
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研究機関 | 北陸学院大学 |
研究代表者 |
小林 正史 北陸学院大学, 人間総合学部(社会学科), 教授 (50225538)
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研究分担者 |
細谷 葵 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員准教授 (40455233) [辞退]
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50566940)
村上 由美子 京都大学, 総合博物館, 准教授 (50572749)
大川 裕子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (70609073)
西田 泰民 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 参事 (80172667)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 理化学的分析 / 民族考古学 / 中国初期稲作社会 / 広範囲経済 / ススコゲ / 木器 / 胎土分析 / 脂質分析 |
研究実績の概要 |
理化学的分析については、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計を用いることにより、微量の資料から雑穀(例えば、ミリアシンを指標とするキビ)や水生生物を認定するための基礎作業が庄田らにより蓄積された。また、特記すべき成果として、田螺山遺跡の土器から蜜蝋が検出されたことにより、蜂蜜利用の歴史が塗り替えられたことがあげられる。 蛍光X線分析により鍋釜や食器の供給体制を復元する研究(西田担当)では、①茅山文化期では器種ごとに胎土が異なることから、土器供給の専業化がある程度進んでいた、②良渚文化期における灰色タイプと赤褐色タイプという2種類の罐の胎土を比較した結果、前者はばらつきが大きいことから複数の場所で制作されたのに対し、後者はまとまりが強いことから特定の場所で制作された、などの見通しが得られた。 民族誌の比較分析は、農業と野生植物利用に主眼を置いたもの(細谷・大川)と調理方法やその道具(土器や木器)に主眼を置いたもの(小林・村上、A01班久保田)の両面から実施された。前者については、浙江省の田螺山遺跡周辺と江蘇省の太湖周辺において農村の古老に聞き取りを行った結果、陸生寄り(ドングリ・イモ・筍など)の前者と水生寄り(水セリ・マコモ・クワイ・ヒシなど)の後者という異なるパターンが見えてきつつある。さらに、文献史料に記載された農業・水利技術やヒシなどの利用方法の分析が大川らにより進められている。 米調理民族誌については、ジャワと北タイ・ミャンマー山地民のウルチ米を蒸す調理の比較分析から、「ウルチ米は蒸しのみでは糊化しきれないので、茹で工程(茹で蒸し法)か途中で加水・攪拌する工程(二度蒸し法)と組み合わせる必要がある」ことが初めて明らかとなった。これらの民族誌モデルを参照することにより、良渚文化期や日本・韓半島の古代におけるウルチ米を蒸す調理の工程を復元する見通しが得られた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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