計画研究
1) セントロメアの再構築及び他の染色体機能ドメインとの組み合わせによるモデル化染色体の作成27年度より開始したin vitroでセントロメアの再構築を継続して進め、複数の複合体の再構成の完了を確認した。これと並行して、染色体工学的手法を用いて、培養細胞や酵母細胞内でセントロメアの再構築を目指した。ニワトリ細胞中で、ある任意の染色体上の非セントロメア領域に適当なセントロメアタンパク質を集合させて、機能的なセントロメアを再構築し、人工セントロメアを保持する染色体を作成した。この染色体をヒト細胞へ移行させたが、安定性の点でやや問題があり、この方法が直接使用できないと考えている。2) セントロメア構造のダイナミックな構造変換深川らは、ニワトリの細胞を対象にセントロメアタンパク質抗体を用いたChIP-seq解析によって、ニワトリの3本の染色体では反復配列を含まない40kbの領域に動原体が形成されることを見出している。ChIP-seq解析によって、高精度にセントロメア領域が同定できたが、本年度は、細胞ごとにセントロメアの領域が変動することを見いだし、CENP-HやCENP-Sがこのセントロメア領域の変動に関わっていることを明らかにした。また、4C、5Cなど用いて高次クロマチン構造の変化とセントロメア形成の関連についてネオセントロメア作出の系を活用して解析し、複数のネオセントロメアを保有する株での4C解析が終了した。
2: おおむね順調に進展している
セントロメアの再構成実験に関しては、in vitro、in vivoで予定通り進んでいる。ただし、ニワトリ細胞で再構築した染色体が、ヒト細胞で活用できないことが判明したので、その方策を練る必要がある。セントロメア構造のダイナミックな変化に関しては、予定通り研究が進展して、セントロメア変動に関与するタンパク質を同定して論文発表を行った。
これまでの研究は、概ね順調に推進できているので、基本的には、引き続き研究計画に沿って研究を推進する。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 8件) 備考 (3件)
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