計画研究
C01班(人生班)は、国内外の大規模コホートを駆使し、生涯発達史を縦断的にとらえるライフコースアプローチによって、H30年度は以下の研究成果をあげている。1). 西田らは、前年度までに開発・施行した主体価値測定アプリを導入した大規模コホート初回調査を完了した。その後、速やかに追跡調査を開始している。データクリーニングを完了した一部データを解析した結果、思春期の親子間における価値類似性が高い場合、男子は引きこもり傾向が高くなることが示唆された。また、B01公募班と連携して,TTCに協力する子供346組を対象に糖化ストレス,精神症状および主体価値の関連を検討し,糖化ストレスと陰性症状に関連があることを示した。2). 山崎らは、世界最長追跡期間の1946British Birth Cohortのデータを解析し,思春期における主体価値と自己制御の相互作用が高齢期のウェルビーイングに影響を与えることを見出した(投稿中)。また,成人期の主体価値が高齢期の認知機能に及ぼす影響について現在解析・論文化を進めている。また、英国MRCマーカス・リチャーズ教授との共同研究を進め,TTCデータを用いて,思春期の子を持つ母親が,主体価値(生きがい:purpose in life)を持つことで,基底生活行動(B01計画班)の1つである喫煙習慣が抑制されることを見出した(Morimoto et al BMJ Open, 2018)。 3). 川上らは、大規模な成人コホートを利用して思春期での主体価値(価値の優先領域と価値へのコミットメント)の決定要因および成人期の健康状態および心理的ウェルビーイングへの影響を網羅的に分析し、価値の優先領域を決定する要因と価値へのコミットメントを決定する要因は異なる可能性を見いだした。
2: おおむね順調に進展している
前年度までの思春期コホート初回調査の遅れをすでに挽回し、当初計画通りに同追跡調査を開始している。研究全体も概ね計画にそって順調に進行中である。
思春期コホートの追跡調査を引き続き進行させ、研究期間内の縦断データ解析を目指す。また、長期内の他の計画班との連携研究を加速させる。英国MRCとの共同研究についてもさらに発展させ、主体価値の高齢期の認知機能等に与える影響なども検証する。英国以外の国際共同研究をさらに強化し、主体価値の文化影響に関する研究を発展させる。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 5件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件) 備考 (3件)
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