計画研究
深紫外発光ダイオード(DUV-LED)・半導体レーザ(LD)、ならびにテラヘルツ量子カスケードレーザ(THz-QCL)などの新規波長発光デバイスは、殺菌・浄水、医療、生化学産業、高密度DVD、各種透視・非破壊検用の光源、環境計測など、幅広い分野への応用が考えられ、これらの開発はわが国の重要課題である。本研究では、特異構造結晶としてAlN結晶ピラー、短周期超格子ドープ層、原子層平坦多重超格子を開発し、これらの特異な物性を用いて、高濃度p型紫外コンタクト層、低貫通転移バッファー、LED高光取り出し構造、GaN系量子カスケード構造を実現する。これらの技術を用いて、DUV-LED、LD、THz-QCLの革新的新機能デバイスを実現することを目的とする。2020年度は、Al組成変調分極効果p型AlGaN層を用いたUVC-LDの短波長レーザ発振を試みた。分極効果p型クラッド層を有する波長280nm帯のUVC-LD構造に電流注入を行い、最大で80kA/cm2の高い電流注入密度を実現した。高電流注入の実現によりホール濃度が分極効果により実効的に増加したことが確認された。また、GaN系THz-QCL実現の基礎研究としてGaAs系THz-QCLの最高性能の検討を行った。これまでTHz-QCLの室温発振は難しいとされてきたが、我々はアイソレート3準位機構を考案し、最高動作温度340Kでレーザ発振が可能であることを解析から予測した。解析に基づきGaAs系THz-QCLを作製し4THzに於いて動作温度202Kを達成した。さらに、水平リーク遮断構造を用いて、高出力THz-QCLを実現した。ドーピングによるバンドベンディングの効果を設計に取り入れ、高出力化のために大面積メサ構造を導入することで、1.3Wのパルスピーク出力と60mWの平均出力を実現した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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