計画研究
本研究では、フォノンに着目した結晶欠陥を中心とする結晶構造解析およびフォノン制御を行う特異構造の提案、キャリアダイナミクス評価・制御方法提案を目的としており,202020年度は以下の進展があった。励起子ダイナミクスでは、フォノン過程を取り入れた励起子ダイナミクス計算により励起子輻射速度の温度依存性が残留電子と励起子準位のエネルギー広がりによる実効的束縛エネルギーの低下によることが分かった。またGaN表面の金属半導体ストライプ構造において局所的励起子とフォノンの相互作用が変化することが分かり,応用の可能性があると考えらえる。共焦点ラマン分光による構造評価では,532nmと325nmのレーザの同時照射により熱発生個所とラマン信号プローブ箇所を空間的に一致させた測定により,界面近傍のミスフィット転位にけるフォノン輸送の低下や横方向に20um程度の輸送が評価できることが分かった。また,532nmパルスレーザから2倍波266nm光を生成するシステムが構築され,測定時間を限定したラマン散乱分光によるS/N向上に目途がついた。また高密度SiドープGaN試料中の歪状態について詳細な空間分解がラマン分光と赤外分光の組み合わせにより可能であること,高密度ドープにより最終的に立方晶領域が発生することが示された。金属-半導体表面ストライプ構造では,間接遷移型半導体GaPやGaNなど様々な材料でLOフォノンエネルギー近傍における赤外輻射が起こることが分かった。輻射強度のメサ高さ・ストライプ幅依存性について一定の理解が進んだ。以上のように,ラマン散乱分光と赤外分光を合わせて3次元的フォノン物性評価がなされ,また表面のマイクロ構造の作製により励起子とフォノンの相互作用制御の可能性が示された。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Letters
巻: 117 ページ: 192103
10.1063/5.0023112
IPACK2020-2570
巻: V001T06A002 ページ: V001T06A002
10.1115/IPACK2020-2570
Applied Physics Express
巻: 16 ページ: 061003
10.35848/ 1882-0786/ ab8c1c
巻: 116 ページ: 142107
10.1063/5.0003491
http://photonics.te.chiba-u.jp/