天然物は、低分子医薬において中心的な役割をはたしている他、「タンパク質間相互作用の制御」「標的タンパク質の分解誘導」などの新しい概念に基づく創薬研究においても重要性が指摘されている天然由来の化合物である。その最大の特徴は、化学構造の多様性にある。この多様性構築機構を構築するための原理の解明と応用利用へ向け、本研究では、1)天然物生合成酵素による反応制御機構の解明、2)特徴的な化学反応を触媒する生合成酵素の機能解析を行った。ここで得られた成果は、人為的な酵素機能制御に基づいた天然物類縁体の合成へと展開可能であり、将来的には、ケミカルスペースの拡張につながるものと期待している。
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