発生脳組織および細胞の力学的性質が、ニューロンの運命や細胞配置・形態を制御する機構を解析した。ニューロンは周辺組織の形状によりアクチン収縮力の発生場所を変えて遊走の駆動力を生み、特殊な核ラミナ構造により柔らかい核が微小管モーターの動的な力で変形や回転など複雑に運動し、周辺組織のずり応力をすり抜けるように輸送されることを見出した。また、ニューロン脳樹状突起形成において、樹状突起フィロポディアが空間の探査を行うメカノセンサーとして働き、突起間の衝突が起こらない空間分布を制御していることを証明した。さらに脳組織の柔らかさを再現するゲル基質を開発し、ニューロン分化誘導を促進するプロトコルを確立した。
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