計画研究
Aire欠損によって認められる胸腺髄質上皮細胞からの自己抗原の発現低下が自己免疫病態の直接原因であるとする現行モデルを検証すると同時に、Aireを欠損した胸腺髄質上皮細胞が発現する「ネオ・セルフ」の実体がどのようなものであるかを明らかにする研究に取り組んだ。そのためには転写調節因子であるAireの標的遺伝子を明らかにすることが必須である。私達はAire欠損マウスに加えてAireを過剰に発現するマウスを作製し、Aireの発現レベルに相関して変動する遺伝子を探索した。その結果、Aireを過剰に発現するマウスにおいても、Aire欠損マウスと同様に自己抗原遺伝子を含む数多くの遺伝子発現低下を認めた。他方、吉開はinnate T細胞が胎生早期の胸腺ですでにIFN-γ/IL-17産生能を獲得していること、IFN-γ産生γδ型T細胞はBcl2 非依存性にDN2aステージの胸腺細胞から分化するCD5-Nk1.1+タイプとBcl2依存性にDN3から分化するCD5+Nk1.1-タイプが存在すること、IL-17A産生γδ型T細胞はDN2bステージ胸腺細胞から直接分化できることを明らかにした。さらにVγ6特異的モノクローナル抗体(1C10-1F7 mAb)を確立し、Vγ6+γδ型T細胞は、胎生期の胸腺でIL-17産生能を獲得して,新生児期胸腺でその数がピークとなること、胸腺の髄質領域で髄質上皮細胞に接して存在すること、MHCクラスII非依存性SLAM-SAP依存性に分化することを明らかにした。末梢においては、Bcl-b非依存性IFN-γ産生γδ型T細胞は肝臓に多く存在し、リステリア感染早期の防御に働くことを示した。また、IL-17A産生γδ型T細胞は子宮頸部粘膜下層、大腸の粘膜固有層、腹腔、肺、皮膚真皮に多く存在し、大腸菌と肺炎桿菌の感染早期の防御に働くことを明らかにした。さらに、乾癬モデルおよび褥瘡モデルで好中球を誘導し、innate T細胞が皮膚炎症を誘導することを明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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