計画研究
共鳴・非線形光学効果を利用した操作の自由度の拡張を目的として,下記の研究を展開した。常温液中で新たな操作様式を開拓するため,継続して下記の実験研究を進めた。キラル金属微粒子の光捕捉では,左右の円偏光で捕捉したときの捕捉力の差の分光特性が,粒子の円偏光二色性スペクトルとよく相関することを見出し,理論解析により,その起源が粒子近傍のキラルな局所場とキラルな分極の相互作用にあることを明らかにした。有機色素内包微粒子の光操作では,誘導放出による「負の光圧」による微粒子の光軸方向操作に成功した。非同軸対向レーザー光の形成する対称場中で,ブラウン運動による対称性の乱れにより粒子が周回運動することを予測・実証し,光圧による新たな周回運動系を構築した。マイクロ流路と光圧駆動を組み込んだ微粒子連続分離抽出法の原理を、サブミクロン~ナノスケール粒子の分離に適用する新しいシステムの提案とその実証実験を行なった。流路内に発生する不均一な流速分布を積極的に利用する新システムは、fNレベルの僅かな光圧の差であっても効果的に分離できることを示す実験結果を得た。低温超流動液中及び気相の実験では,極低温環境を生かした光圧実験のデモンストレーションとして,超流動ヘリウム中におけるレーザーアブレーションによって作製した単一ZnOナノ粒子を、単レンズ1枚による弱い集光ビームで光トラップすることに初めて成功した。前年度のナノダイヤモンドの運動制御の成功と併せ,室温では不可能な程度の光圧でも、極低温下では有効であることを示した。緩衝気体中の蛍光ナノダイヤモンド粒子に対しては,共鳴レーザー光による加速やレーザートラップを試み,光圧や対流、重力の影響について評価を行った。また光励起下での半導体量子ドットの電場による泳動について,印加電場やトラップポテンシャル,対流などの検証を行い,泳動を高速化する新たな装置を開発した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 2020 2016 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (63件) (うち国際学会 23件、 招待講演 13件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (3件) (うち外国 1件)
Photochemical & Photobiological Sciences
巻: 21 ページ: 175~184
10.1007/s43630-021-00147-2
Polymer Chemistry
巻: 13 ページ: 736~740
10.1039/d1py01100f
Optica
巻: 9 ページ: 139~144
10.1364/OPTICA.447557
Journal of the American Chemical Society
巻: 143 ページ: 8731~8746
10.1021/jacs.1c02644
Molecular Science
巻: 15 ページ: A0119 (9 pages)
10.3175/molsci.15.A0119
ACS Nano
巻: 15 ページ: 2831~2838
10.1021/acsnano.0c08802
AIP Advances
巻: 11 ページ: 115027 (1-8)
10.1063/5.0074139
Nature Reviews Physics
巻: 4 ページ: 113~124
10.1038/s42254-021-00391-6
Applied Physics Express
巻: 15 ページ: 012007 (1-5)
10.35848/1882-0786/ac4206
巻: 14 ページ: 12918~12928
10.1021/acsnano.0c03964
Proceedings of SPIE
巻: 11522 ページ: 115220L
10.1117/12.2573529
巻: 11477 ページ: 114770D
10.1117/12.2569231
Journal of Nanophotonics
巻: 14 ページ: 26013 (6 pages)
10.1117/1.JNP.14.026013
http://apphy.u-fukui.ac.jp/~mtstk_kumakura/index.html