計画研究
本課題では、目的に応じた機能空間を合理的に構築し、構造および分子配列を自在に操ることで、空間とゲスト分子のダイナミクスが連動する特異な機能・物性を探求した。最終年度は、主に以下の3つの項目について、研究を展開した。(1) アシンメトリック配位高分子の合成:非対称な正方錐型錯体配位子[M(N)(CN)4]2- (M=Mn,Re)を自己集積させた配位高分子を合成し、構造と物性のゲスト分子依存性を評価した。M=Mnの場合、ゲスト応答性はカチオンに大きく依存し、カチオンがK+の場合には、錯体の向きが揃った極性一次元構造を形成し、脱ゲストにより非極性構造となる事を見出した。この変化は可逆的であり、ゲスト吸脱着に伴う第二次高調波の強度変化からも、極性変換を裏付けた。M=Reの場合は、イミダゾリウム系カチオンを用いると四核構造が形成され、加熱により極性一次元構造に変化することを見出した。それぞれの構造解析にも成功し、DSC等から各構造のエネルギーと変換機構を考察した。(2)骨格構造の変換制御:金属中心が異なる二次元Hofmann型FeNiおよびNiNi配位高分子が、脱溶媒により、FeNiは三次元PtS型構造に変化するが、NiNiは二次元構造を保持する事を見出した。さらにFexNi(1-x)Ni固溶体を作成し、Feの割合と構造変化の相関を検討し、脱溶媒後の構造制御に成功した。また、X線光電子分光法により、脱溶媒後に生じるアモルファス相における金属中心の局所構造解析法を確立し、ゲスト吸脱着による可逆的アモルファス-結晶相変化における構造変化を明らかにした。(3)リポソーム-金属錯体複合体:配位部位を有する親脂質性錯体を開発し、リポソームに組み込む事で、金属イオン添加による錯形成駆動による膜チャネル形成、並びにそれに伴う包接イオンの異方的放出制御に成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 8件、 査読あり 14件) 学会発表 (61件) (うち国際学会 12件、 招待講演 3件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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