研究領域 | 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
16H06525
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
保前 文高 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (20533417)
|
研究分担者 |
多賀 厳太郎 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (00272477)
渡辺 はま 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任准教授 (00512120)
|
研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
|
キーワード | 発達脳科学 / 乳幼児 / 個性 / 身体運動 / 言語獲得 |
研究成果の概要 |
個人間の比較を通して、各個人の特徴を相対的に位置づけることで、「個性」を捉えた。具体的には、乳幼児期の単語の獲得は、語彙が急速に増える時期と停滞する時期が交互に現れて進むこと、また、英語を外国語として学習している中学生が英文を聞くときに、脳の活動に性差があることを見いだした。脳の構造について、生後6ヶ月の時点で個人ごとに異なる特徴があり、その特徴は少なくとも生後2年まで保たれる傾向にあった。3ヶ月児の四肢の自発運動や9~10ヶ月児の寝返りを解析して、自発運動から個人認証が可能であること、寝返りは6種類の運動パターンに集約され、個人ごとの特徴があることを明らかにした。
|
自由記述の分野 |
認知神経科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、乳幼児から成人に至る多数の個人の特徴を、複数の尺度を用いて個人間の相対的な位置として表すことで、「個性」を表現することが可能であることを示した。これは、単に個人ごとに違いがあるというだけではなく、「個性」を科学的に捉えることができるということを示しており、新しい学術領域として「個性学」が成り立つ道筋を明らかにしたものである。乳幼児、ひいては、ヒトの成り立ちをより良く知るために、個性学と発達科学とが両輪となって発展することが期待される。
|