今後の研究の推進方策 |
引き続き,心理・行動的表現型の基本的個人差次元のモデル化の基礎となるデータベース作成を進める。具体的には,認知的能力(CAT, Cubic Operation Task),パーソナリティ(EPQ-R, NEO-PI-R, HEXACO-PI, TEIQue),認知スタイル(EQ/SQ),その他(PDQ4, SPQ, AQなど)の回答データを年間500程度収集し,累積データの分析によるデータベース作成を進める。 また,脳画像データの収集に関しては,研究分担者を中心に,MRI画像の収集を,基本的な心理検査データと合わせて収集を進める。 脳の機能的な個人差指標と脳活動の関連性に関しては,引き続きfNIRSを使用して,認知負荷時の皮質血流状態の測定・記録と,認知課題のパフォーマンスの関連性を分析するが,認知的課題としては,注意のトップダウン効果とボトムアップ効果の条件を組合せ,認知スタイルの個人差との関係を検討することに加え,パーソナリティの基本次元に関連するBIS/BASモデルとの関連性も検討する予定である。 さらに,個人差の基本次元モデルの構築に当たっては,A03グループとの連携により,データベースを使用した数理モデルによる検討を進める。また,公募班との連携により,認知負荷時の脳の活動状態の個人差について,皮質血流状態では測定できない深部脳の活動状態(特に,海馬,扁桃体,視床など)について,fMRIを使用した実験計画を検討し,年度内に予備実験を実施することを目標としている。同様に,別の公募班との連携により,BIS/BASモデルのマウス実験への適用可能性を検討するための予備実験を考案し,基本的個人差・個体差次元のヒト=マウス共通モデルの可能性を検討する。
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